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「VAIO Z Canvas」レビュー - これが実用タブレットの最高峰だ
タブレットとしては最高クラスの性能
続いて「VAIO Z Canvas」のスペックについて見てみよう。試用機ではCPUとしてHaswell世代のCore i7-4770HQ(2.2GHz)が搭載されていた。
記事執筆時点までは4コア8スレッドの47W版Core i7 Hシリーズとしか公開されていなかった。そのため、ひょっとするとBroadwell世代かとも思っていたのだが、実際には2014年第3四半期にリリースされたHaswell世代のCPUだった。原稿執筆時点ではまだBroadwell世代のCore i7 Hシリーズは発表されていないため、CPUが最新世代でない点はやむを得ないだろう。
もっともHaswell世代とBroadwell世代で、CPUの計算性能が劇的に変わるわけではなく、Core i7-4770HQでも十分高い性能を備えている。実際に、CPUの計算性能を計測する「CINEBENCH」を試してみたところ、CPUのスコアが「635cb」とかなり高いスコアとなった。
試用機のメモリー容量は16GBで、ストレージには512GBのSSDが搭載されていた。試用機で使われていたストレージは、サムスン製の「Samsung SM951(MZHPV512HDGL-00000)」。SSDそのものはPCIe X4(3.0)接続で最大2260MB/秒のシーケンシャルリードに対応しているが、メーカーとしては「第2世代High Speed SSD」と発表していることから、PCIe X4(2.0)で接続しているものと思われる。サムスンによるとPCIe X4(2.0)接続の場合はシーケンシャルリードで最大1600MB/秒とのことだ。
「CrystalDiskMark」でストレージのアクセス速度を計測してみたところ、シーケンシャルリードで1654MB/秒と、メーカー(サムスン)の公称値よりも高速な結果が出ている。タブレットとしては間違いなく、最高クラスのストレージ性能だ。これだけのスコアであれば、巨大なファイルでもアッと言う前に開けるに違いない。
グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel Iris Pro Graphics 5200だ。Haswell世代としては最上位の内蔵グラフィックス機能(iGPU)で、高い性能を期待できる。
3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」で「1340」という結果となった。これはミドルロークラスの外付けGPU(dGPU)に相当する性能だ。発熱でベンチマークが正確に計測できないということもない。
プロ向けの動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro CC(2014)」では、GPUを利用した高速処理「GPUアクセラレーション」対応GPUとしてIntel Iris Pro Graphics 5200を認定している。「VAIO Z Canvas」の内蔵グラフィックス機能は、クリエイティブ系ソフトで十分威力を発揮するはずだ。