Windowsには、前回紹介したスタートアップのほかにも、「サービス」というアプリの起動手段が用意されている。
サービスは一般的なアプリとは異なり、バックグラウンドで起動しながら、ユーザーにさまざまな機能を提供する。グラフィカルなユーザーインターフェースを持たないものも多く、TCP処理を黙々と行なうというだけのものや、ネットワークがオンになったタイミングでDNSへ問い合わせをするものといった、シンプルながらWindowsの利用に欠かせないものが、サービスとして動いている。
サービスの最大の特徴は、ユーザーのサインイン状態にかかわらず、OSが立ち上がりさえすれば機能を起動することができるという点。
スタートアップによるアプリの起動処理は、通常はユーザーがサインインしたあとに行なわれる。
それに対してサービスは、OSが利用可能な状態となったらすぐに起動処理をはじめるため、サインイン前のロック画面のときでも動作できるようになっている。
Windows 8では、サインイン時にマイクロソフトアカウントの情報のやり取りがインターネット越しに行なわれる。そのためネットワークの主要機能はサインイン前に利用可能な状態にしておかなければならない。TCP処理やDNSといった機能がサービス化されていることで、ロック画面でも通信が行なえるようになっている。
サービスは、そうしたシステムにより近い機能を持つものしか使えない、というわけではない。市販のテレビチューナー付属のアプリには、テレビ番組の録画をサービスで行なうものがあったりと、サードパーティー製のソフトウェアやフリーソフトなど、設計次第ではサービスとして動作させることが可能だ。
しかしながら、ユーザーが好きなアプリをサービス化して起動することはできない。ソフトがあらかじめサービスとして動作することを前提に開発されている必要があるからだ。
また、サービスはソフトウェアレイヤー上、より低い階層で動作するために、他のサービスと競合するものを利用すると、OSの挙動がおかしくなることもある。そのため、極力サービスを使わず、一般的な常駐型アプリとすることが多い。
それでも、どうしてもサービスとして動かしたいアプリがあるなら、フリーソフトを使って任意のサービスを登録することも可能。その方法については後述するとして、まずはサービスの基本をしっかり理解しておこう。
サービスの起動や終了をコントロールする
サービスの設定は「コンピューターの管理」画面を用いて行なう。実行中のサービスを確認したり、起動や終了させることが可能だ。
(次ページに続く、「「任意の非サービスアプリをサービスとして起動する」)

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