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Server 2003からの乗り換え需要も狙う「クラウド時代の標準エンタープライズOS」

「Docker」にも正式対応!レッドハットがRHEL 7を発表

2014年07月11日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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最大500TBのファイルシステムをサポート、XFSを標準採用

 RHEL 7では、デフォルトのファイルシステムがext4からXFSに変わり、最大500TBまでファイルシステムを拡張できるようになった。もちろん、従来からのext4やext3といったファイルシステムも引き続きサポートしている。

RHEL 7ではXFSが標準ファイルシステムになったほか、ext4も最大50TBまでサポートするようになった(従来は16TBまで)。テクノロジープレビューとしてbtrfsも利用可能

 Active Directory(AD)認証との連携強化により、Windows環境との相互運用性も向上した。鶴野氏は、直接ADサーバーを認証に利用する方法と、ADサーバーと連携したID管理製品経由で利用する方法の2つがあると説明した。

 発表会ではそのほか、パフォーマンスの強化や自動チューニングツールの提供、systemd採用による起動スピードの高速化、RHEL 6からのインプレースアップグレード機能といった強化点が紹介された。

RHEL 7では、特にOLTPや分析、Javaアプリケーション実行などのパフォーマンスが大きく向上している(グラフはRHEL 6.xとRHEL 7のパフォーマンス比較)

Windows Server 2003サポート終了の好機、乗り換えも促進

 レッドハットでは、昨年(2013年)12月からRHEL 7のベータ版を提供してきた。廣川氏によれば、およそ7000ユーザーがベータテストに参加し、ユーザーからはすでに高い評価を得ているという。

レッドハットの調査によると、ベータテスト参加者の6割が、正式リリース後「6カ月以内に」RHEL 7を導入する意向を示している

 また廣川氏は、サポート終了まであと1年となったWindows Server 2003からのOS移行需要も積極的に狙っていくと述べた。IDC調査によると、Server 2003のサポート終了後にLinuxへの移行を考えるユーザーは10%程度だが(関連記事)、今回のRHEL 7リリースにより、これをさらに拡大できるものと見ている。

 「これまで(Windows Server 2003の発売当時は)選択肢がなかったかもしれないが、現在はファイルサーバー、Webサーバー、アプリケーションサーバーに『Linux』という選択肢が増えている。また、Windows XPやWindows Server 2003のサポート切れと買い換えを通じて、ユーザーは『ライセンス販売モデルの問題点』にも気づいている。日本のオープンソースOS採用率は世界平均と比べて低く、伸びしろは大きい。RHELの成長率は年8~9%だが、RHEL 7の投入でもっと大きくできると考えている」(廣川氏)

 また、日本市場においてはSIベンダーの意向も大きく働くことから、パートナーへの技術トレーニング強化や、パートナーを通じた移行支援サービスの取り組みも行っていくと述べた。同日、サイオステクノロジーがWindows Server 2003からRHEL 7 Serverへの「マイグレーション支援サービス」を発表している(関連記事)

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