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アプリのコンテナ化促進、“WindowsからOSSクラウドへ”の流れを次の段階へ

レッドハットが「RHEL Atomic Host」発表、コンテナ戦略を推進

2015年03月20日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは3月19日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の最新版となるRHEL 7.1と、コンテナ環境向けの軽量化OS「RHEL Atomic Host」、さらにLinuxコンテナへの移行を促進するプログラムを発表した。発表会では、これらの新たな製品/プログラムを核として、Linuxコンテナへのアプリケーション移行を促進していく戦略が説明された。

発表会に出席した米レッドハット プラットフォームマーケティング シニアディレクターのマーク・コギン(Mark Coggin)氏レッドハット日本法人 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長の古舘正清氏

Kubernetesもサポート対象パッケージに追加したRHEL 7.1

 RHEL 7.1は、昨年リリースされたRHEL 7(関連記事)のマイナーバージョンアップ版となる。新たにActive Directory環境向けの機能改善がなされているほか、IdM(Identiry Management)の強化などの変更点がある。

RHEL 7.1における主要な改善点

 今回、最も注目されるのはコンテナ関連の新機能だ。前述のとおり、コンテナのホストOSとして最適化されたRHEL Atomic Hostが提供されることになった(詳しくは後述)。また、RHEL 7から正式サポートされているDockerに加えて、グーグルが開発を主導する、複数のDockerコンテナのオーケストレーションツール「Kubernetes」(クーバネテス)もサポート対象パッケージとなっている。

コンテナ実行のための軽量化ホストOS、RHEL Atomic Host登場

 RHEL Atomic Hostは、フルコンポーネント版のRHEL(約6000パッケージ)から、Linuxコンテナの実行環境として必要なコンポーネント(約300パッケージ)だけを抜き出して構成された、RHELのサブセット版OSだ。そのため、正確に言えば今回リリースされたバージョンは「RHEL 7.1 Atomic Host」である。RHELのサブスクリプション契約をしている顧客は、追加料金なしで利用できる。

Red Hat Enterprise Linux Atomic Hostは、フットプリントを最小化したLinuxコンテナホスト専用のOS。軽量であるため、ベアメタルサーバーから仮想サーバー、クラウドのインスタンスまで幅広い環境に展開しやすい

 Atomic Hostでは、イメージ方式でホストOSを簡単にアップデート/ロールバックできる機構になっており、保守作業が簡素化される。また、ホスト管理アプリケーションなどを動作させるために、ホストOSへのアクセス権限を持つ「特権コンテナ」を作成することができる。

 レッドハットでは、Atomic Hostにおいても、RHELが備えるパフォーマンスや安定性、成熟度、広範なハードウェア認定といった特徴はそのまま継承されているとしている。

ISVパートナーの“コンテナ移行”支援プログラム

 今回はもう1つ、アプリケーションのLinuxコンテナ環境への移行を促進するために、ソフトウェア開発(ISV)パートナーを支援するエコシステムプログラムが発表されている。

ISVアプリケーションのコンテナ化を支援するため、ツールキットや認定プログラムを提供していく

 具体的には、Dockerベースのコンテナ化アプリケーションの開発/保守を容易にする「Red Hat Container Development Kit(CDK)」、RHEL/RHEL Atomic Host上で動作するコンテナの認定プログラム、コンテナ配布リポジトリなどをISVに提供していく。

Red Hat Container Development Kit(CDK)、コンテナ認定プログラムの詳細

「Linuxコンテナのエコシステムを作っていく」

 今回のコンテナ技術強化でレッドハットが狙うものは何か。レッドハット日本法人の古舘氏は、今回の発表は同社がこれまで推進してきた“WindowsからOSSクラウドへ”という戦略の一環であると説明した(関連記事)

 「Windows上にまだ多く残る『クライアント-サーバー型』のアプリケーションセットを、どうやって(OSS)クラウド中心のコンピューティングモデルへと移行していくか。その答えを、レッドハットがリードして作っていきたい」(古舘氏)

RHELのコンテナ機能強化は“WindowsからOSSクラウドへ”という戦略の一環

 具体的には、国内ISVへの働きかけを通じて、コンテナ型で提供されるクラウドネイティブなアプリケーションを増やしていく。加えて、クラウドサービスプロバイダーと共に、こうしたコンテナを通じた新たなビジネスモデルを作っていきたいという。

 「まずは年内100社を目標に、どういう共通業務でコンテナが活用できるか、どういう業種でコンテナを使えば業務が変革できるのか、といったエコシステムを作っていく」(古舘氏)

ISVがコンテナベースで開発したアプリケーションは、オンプレミス/プライベートクラウド/パブリッククラウドの幅広い環境で迅速に展開できるようになる

 また米レッドハットのコギン氏は、コンテナ技術は長い歴史を持っており、すでにエンタープライズ領域での利用にも耐えうる実力と実績を持っていることを強調した。

 「たとえばグーグルは、すでに数年にわたりLinuxコンテナを使用しており、検索からGmailまであらゆるサービスをコンテナで展開しているという。毎週20億個ものコンテナを起動している」(コギン氏)

 さらに、ポータビリティの高いコンテナの特性を生かすことで、迅速な展開やスケーラビリティ、運用の効率化といった大きなメリットが得られると語った。

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