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Docker+Kubernetes+RHEL 7の「OpenShift Enterprise 3」を国内提供開始

「OpenShift 3はPaaSを超え、企業Docker基盤に」レッドハット

2015年07月28日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは7月22日、商用PaaS基盤ソフトウェアの最新版「OpenShift Enterprise 3」の提供を開始した。グーグル「Kubernetes(クーバネテス)」採用やDockerテンプレート提供などにより、“Dockerを学ばなくても”企業システム分野でDockerコンテナベースのアプリケーション開発/展開/運用を実用レベルに引き上げるとしている。

OpenShift Enterprise 3の大きなテーマは「Dockerアプリケーション基盤」。Docker環境におけるアプリケーションライフサイクル全体をサポートする

レッドハット プロダクト・ソリューション事業統括本部 ミドルウェア事業部 事業部長の岡下浩明氏。OpenShiftは、企業システムにDockerを適用するうえでの“壁”を取り除くと語った

OpenShift Enterprise 3の構成。RHEL 7.1ベースでDocker APIに対応し、コンテナ管理&オーケストレーション、ミドルウェア、Webインタフェースまでを提供

 OpenShift Enterprise 3のサブスクリプション価格(税抜)は、63万9600円から(最小構成:デプロイ先環境2コア、標準9~17時サポート対応)。

企業システムにDockerを導入するうえでの“壁”を取り除く

 発表会に出席したレッドハット ミドルウェア事業部長の岡下浩明氏は、「今回のOpenShift Enterprise 3は、PaaSという文脈だけではもったいない製品。PaaSの領域を超えて、“Dockerアプリケーションのためのシステム基盤”へと変貌している」と紹介した。

 アプリケーションとその動作環境(ミドルウェア、ライブラリ、設定パラメータ)を1つのイメージ(コンテナ)にまとめ、アプリケーションの展開やスケールアウト、更新などの作業を大幅に簡素化/迅速化するDockerには、DevOpsやマイクロサービスを実現するための要素技術として大きな注目が集まっている。レッドハットでは、すでに昨年7月リリースのRed Hat Enterprise Linux 7(RHEL 7)において、Dockerを正式にサポートしている(関連記事)

Dockerの仕組み。アプリケーションとそれを動作させるためのシステム環境を1つのコンテナイメージにまとめることで、アプリケーションの取り扱いが非常に容易になる

 だが岡下氏は「Dockerをエンタープライズ環境で使うのはまだ早いのでは、と言う声もあった」と語る。Dockerコンテナ環境におけるアプリケーション開発、本願環境への展開、運用、更新といった手法には、Docker独特の部分もあり、「企業の中で使っていくにはまだまだ乗り越えるべき壁がある」(岡下氏)という。

Dockerを企業システムに適用するには、さまざまな“壁”があったと岡下氏は説明した

 こうした課題を解消すべく、OpenShift Enterprise 3では単にDocker技術を取り込むだけではなく、Docker環境の運用におけるベストプラクティスやKubernetesによるオーケストレーション/管理機能も盛り込んだ。これにより、Docker環境におけるアプリケーションライフサイクル全体をサポートするという。

 「OpenShift 3は、Dockerを使ってシステム構築をしようと考えているすべての人に届けたい製品。ただし、Dockerをそれほど深く知る必要はない。Dockerを学ばなくてもDockerが使えるシステム環境」(岡下氏)

 まず開発者向けには、各種言語環境(PHP、Ruby、Python)やデータベース(MySQL、PostgreSQL、MongoDB)、JBossやTomcatなどのアプリケーションサーバーを組み合わせた、57種類のDockerプロジェクトテンプレートを用意している。開発者がこのテンプレートを使うことで、「Docker環境であることを意識することなく、自然と使える」(岡下氏)。そのほか、Dockerイメージビルドの自動化、外部リポジトリからのネイティブDockerイメージの取り込みなどの機能も備える。

 また運用担当者向けには、開発/テスト/ステージング/本番環境間のデプロイの自動化、無停止切り替え/ローリングアップデート、デプロイのロールバック、ネットワーク設定の自動変更などの機能も提供する。さらに、スケジューラーによる起動/停止、スケールアウト/オートスケール(※v3.1で機能追加)、障害時の自動復旧、Dockerイメージのバージョン管理、イメージ内のOS/ミドルウェアへのパッチ当て/リビルド制御といった機能もある。

「Dockerアプリケーションを企業に浸透させていく」

 岡下氏は、OpenShift 3を通じて「Dockerアプリケーションを企業に浸透させていく、その一点だ」と語った。無償ハンズオンの配布や、トレーニング、コンサルティングといったサービスメニューを拡充していくという。

 また、ISVによるパッケージソフトウェアのクラウド化手段としてのDocker採用の促進、データセンターの新ビジネスの基盤としての提案も支援していくと述べた。

レッドハット、アプリケーション基盤製品のポートフォリオ

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