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アスキークラウド編集長コラム

アスキークラウド2014年6月号

パナソニック情シス部隊、運命の分かれ道は何で決まるか?

2014年04月23日 07時00分更新

中野克平/アスキークラウド編集部

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 アスキークラウド6月号の特集テーマは「情シス部門の生き残り」です。クラウドによって、社内のITインフラにも「所有から利用へ」への影響が現れています。

 社内の要件をまとめ、社外のSIerやグループ内の情シス子会社とシステム化を進めてきた情シスは、クラウドの普及で存亡の危機にあると言ってもいいでしょう。すでに情報系ネットワークはギガビットEthernetへの移行を済ませており、無線LANの高速化も一段落しました。AWS(Amazon Web Services)なら、必要なサーバーが必要なときに、クレジットカード1枚で調達できますし、メールやグループウェアは1ユーザーあたり毎月600円で使えるGoogle Apps for Businessがあります。情シスの仕事がなくなってしまったのです。

 もちろん、AWSは恒常的に使うと割高ですし、金融や先端産業には、グーグルに会社の情報を読ませるわけにはいかない企業もあります。自社にふさわしいクラウドの利用形態は何かを経営層に助言し、セキュリティポリシーやデータ連携など、より経営と結び付いた上流工程を担う仕事は、実際にはクラウド時代になればなるほど価値が高まります。しかし、ネットワークの設計や構築、ヘルプデスク、ソフトウェアの契約実務に長年携わってきた情シスに、こうした業務をこなせる人材が多くは育っていないことは明白です。

 保守管理だけをさせて、考えさせてこなかったのは会社ですから、中高年のエンジニアが「これまで学ぶ機会すら与えられてこなかった。今さらクラウドの目利きになれと言われても」と戸惑うのは当然です。一方で、「40代、50代にもなって、勉強してこなかったことを会社のせいにするとは何事か。甘えるのもいい加減にしろ」と言いたくなる気持ちも分かります。正解のない議論ですが、ソニーやパナソニックのように、情シス部隊をSIerに売却すると判断する企業は今後増えるでしょう。

 クラウドの影響は広範囲に及びます。実は「情シス」を自分の職種に置き換えるだけで、誰の身にも起きることなのです。雑誌編集として経験を積んできた私自身、いったいどうすればいいのか。縮小が決まった情シス部員の言葉が胸に刺さります。

競争力にリソースを割くんだよ。誰にでもできるような仕事をクラウドにやらせるのが常識だろ?

 特集では、日本IBMや富士通への譲渡が検討されているパナソニックの情シス部隊で、残る人と出される人の線引き、危機感を背景に役割を見直し始めた情シスの姿を各方面の取材から明らかにしています。

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