インターネットは無くなりません。しかし、1995年ころの、「誰でも世界中に情報発信できて、誰でも無料で世界中の情報にアクセスできるツール」として熱狂的に受け入れられたインターネットはいつの間にか無くなっていました。主な原因は特集でも取り上げたとおり、スマートフォンとクラウドです。キーボードもマウスもないスマホでの情報発信は写真や映像、ツイッターのような短めのテキストが中心で、ブログのようなひと固まりの意見を発信するには不向きです。ウェブの最大の魅力である混沌(こんとん)とした輝きは失われ、言葉の定義はウィキペディア、レシピはクックパッド、SNSはフェイスブック、というように巨大サイトが多くの利用者を集め、リンクをクリックして別のサイトに飛び、価値観の異なるコンテンツに出くわす「ネットサーフィン」は死語になりました。最近のインターネットは、さながら「誰でも世界中にプライバシーをさらけ出し、世界中の人々の生活をのぞき見できるツール」です。
しかし、インターネットの堕落を嘆いてもビジネスにはなりません。変化を受け入れ、パソコン時代に生まれたサイトをアプリで置き換えたり、パソコン前提の考え方をいったんリセットして、あるべきコミュニケーションを模索したりする動きがあちこちにあります。ビジネスに環境変化はつきもの。時代を変えていく先頭に立っていたいものです。

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