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パナ情シス部隊、リストラ対象1000人の選別方法

2014年04月23日 16時09分更新

澁野義一(Giichi Shibuno)/アスキークラウド編集部

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Panasonic

 パナソニックが、社内情報システム部門(情シス)の社員約1500人のうち、3分の2にあたる約1000人の削減を検討している——。無慈悲な報道が流れたのは、今年の1月1日。該当者にとって最悪の正月になってしまった。

 各社の報道によると、パナソニックの情シス子会社「パナソニックITソリューションズ」を富士通に売却。社内で分社化した「コーポレート情報システム」からも一部社員を富士通とIBMに転籍させるという。つまり、取引先のSIerへの転籍だ。

 なぜ、こんなことになったのか。情シスは、ビジネスプロセスの改善やシステム統合によるコスト削減など、企業戦略に欠かせない部門だったはず。パナソニックの関係者も「情シスは社内で高い評価を受けていた。特にグローバル化を手がける部門は、世界中を飛び回って調整していた」と話す。

 風向きが変わったのは、コストダウンを目的に部門ごとに導入していたITシステムを統合してから。「統合の結果、上流の勘定系などは仕事がなくなった。毎日同じパワポを開いて、定時に帰っていた」(パナソニック関係者)。そこで今回の転籍につながるわけだ。「もはや従来の規模を維持する必要はない。(人数の削減については)転籍先の企業に考えてもらう」(パナソニック関係者)。

 一方、情シスを受け入れる側にも思惑がある。「転籍してきた彼らは人柱。キャリアパスもない」。受け入れ先のSIer関係者はそう明かす。「人柱を握っている以上、企業側は身請けしたSIerのシステムを使わざるを得ない。もしシステムが使われなくなったら、人柱を切ればいい」(SIer関係者)。SIer側には人件費の付け替えが発生しても、従来の運用保守業務の延長線上で、安定して売上げが立つわけだ。

 パナソニックの一件は、決して対岸の火事ではない。シャープやソニーも人件費削減の一環としてSIerと合弁会社を作り、情シス子会社の社員を転籍させる方針をとっている。情シス社員の削減は、どの企業で起きてもおかしくない。

 では、情シスが会社で生き残るにはどうすればいいのか。ヒントは経営者目線で考えることだ。大手メーカーの役員は、「(情シスは)企業戦略に関わる大事な頭脳までアウトソーシングしている」と苦々しげにつぶやく。社内事情に疎く、自社のビジネスにさえ無知で、事業部門の要望をSIerに丸投げ。「そんな組織は、はっきり言って要らない」(大手メーカー役員)。

 リストラ対象から外れるには、会社に必要とされる情シスになることだ。4月24日発売のアスキークラウド6月号では、「情シスの生き残り方」を詳しく特集している。


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