「ビッグデータ関連製品」と称して、大容量ストレージやデータベース、顔認識技術を売り込むITベンダーを便乗商法とあざける人がいます。確かにそうかもしれません。しかし、2013年にリクルートが買収した求人サイトIndeedでBigDataを検索すると、Data Science EngineerやPredictive Modelerなどの職種が何百も出てきます。少なくとも米国では、今年で寿命の尽きるバズワードではなさそうなのです。
ビッグデータを理解する鍵は「軍事技術」です。ビッグデータの起源は、傍受した無線のやりとりを音声認識でテキスト化し、インデックスを付けて検索できるようにした諜報機関向けの技術だったはずです。インターネットの発達でメールやチャット、ウェブの情報も横断的に検索できるようになり、テロや犯罪の予測モデルが構築され、実際の犯行からフィードバックを受けながら精度が高まり、実行前に犯人を捕らえたり、無人機で殺害したりするようになったのでしょう。もちろん、これは仮説ですが、英語の文献では「NSA流の先制攻撃」といった表現があり、あながち間違いでもなさそうです。大規模ストレージ技術のスケールアイオー、元諜報機関の技術者が開発した行動管理アプリのエニードゥーなど、イスラエル発祥の技術がどこかビッグデータ的なのも、こう考えると納得できます。大量データの収集から行動予測までを含む幅広い概念がビッグデータなのです。
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