東芝は「2014 International CES」が開催されるラスベガスで、現地時間5日に映像商品およびPC事業戦略についての記者説明会を開催。執行役上席常務兼デジタルプロダクツ&サービス社 社長の徳光重則氏が2014年の事業計画について説明を行なった。
「スマート」から「攻め」に転じるテレビ事業
まず、50V型以上の大型テレビの市場環境について、2年前は2%程度だったのに対して昨年11月には10~12%まで上昇。また、価格単価(10V型以上)についても7万円近くまで上がってきており、日本市場が活性化してきていると分析した。
また、アジア市場(主にASEAN諸国)はデジタル放送が開始され、日本よりも速いスピードで市場が拡大していくと同氏は見ており、そのニーズを先取りした製品開発が重要との認識を示した。
2013年はテレビ生産拠点の集約や事業体制の再編などにより、体制のスリム化を計ったが、2014年は「攻めの体制」で挑むという。特に日本では58V型以上の機種をすべて4Kテレビにしていく予定で、4Kの高画質エンジンや4K放送、4K映像配信にも対応する製品の開発を加速していくことを明言した。
また、ASEAN市場に対しては、これまで培ってきた高品質、高付加価値をアピール。自社開発の直下型バックライトシステムや超解像技術、自動画質調整機能などを製品に展開していくとのこと。
「スマートテレビ」についても、全チャンネル録機能とクラウドを活用した「レコメンド視聴」を訴求するほか、テレビのノウハウを詰め込んだディスプレー製品を開発。今回のCES会場では、直下型バックライト搭載でHDMI 2.0およびHDCP 2.2に対応する4K REGZAの試作機や、フレームレスデザインのディスプレー、タッチパネルを内蔵したボード型ディスプレー「BORDERLESS BOARD」などを参考展示するという。
タブレットPCと4KノートPCでラインナップ拡充
PC市場については、主にタブレットの普及に伴って2012年の約3億4000万台から今年は約4億5000万台に増大すると予測(ともにグローバルにおける数字)。
これを受けて「2in1」(キーボード脱着型タブレット)PCのプロダクトを強化するとともに、ビジネス向け製品についてはRGBアナログ出力や有線LANなどを搭載し、拡張性と操作性を重視。コンシューマー向け製品については大容量の500GB HDDを内蔵するなど使い勝手を重視する。
単体のタブレット製品に関してもWindowsタブレットとAndroidタブレットでプロダクトを分け、WinタブレットではOfficeを搭載するなど既存資産の活用を重視。Androidタブレットでは手書きの精度にこだわり、自然な書き心地を実現する製品を投入していくという。
このほか、4KPCの導入にも注力し、CAD/CAM向けのモバイルワークステーションと映像編集向けの4KノートPCという2ラインの製品展開を行なっていくとした。
最後に、B2B事業の強化にも言及。マルチOS対応のクラウドソリューションである「東芝クラウドクライアントマネージャー」(TCCM)により、効率的で安定した運用をサポートするという。
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