
「SmartWear」の概念について熱く語る黒住吉郎氏
2014 International CESでソニーモバイルコミュニケーションズが発表した「SmartWear」。リストバンド型センサーの「SmartBand」とスマホを組み合わせて何かするものらしいが、ライフログ的なサービス……なのか、よくわからない点が多い。
なぜかといえば、具体的なサービスの内容はまだ“未発表”だからだ。今回発表されたのはその概念のみ、ということ。
そこで、SmartWearとはどんな概念なのか、同社のUX デザイン企画部門 UX商品企画部バイスプレジデント兼クリエイティブディレクターの黒住吉郎氏がグループインタビューの中で解説してくれた。
まず、SmartBandはただのリストバンドに過ぎず、重要なのはその中(脱着式)にある小型センサーであることをおさえておきたい。
この中には加速度センサーなどのごく基本的なセンサーやバッテリーが収まっており(具体的にどんなセンサーが入るのかはまだ非公開だが、1回の充電で1週間程度駆動させることができるぐらいの規模のもの)、本体上部には小さなボタンがついている。
このボタンがキモで、リアルな日常生活における小さな感動――いわば「いいね!」を記録するためのものだという。黒住氏は写真を撮る行為を例に挙げ、「写真を撮るのは小さい感動があったから。そういった、ちょっとした感動を記録する」デバイスとのことだ。
おそらく、このボタンを押すことでスマホ側に何らかの情報が記録される。それは単純に位置情報や加速度情報というものだけではないのかもしれない。スマホで聞いている音楽や見ている動画など、そのなかに感動があったらセンサーのボタンを押すだけでその状況が記録される、そういうものなのかもしれない。
同氏によれば「より近い過去と未来をどうやってビジュアライズさせていくか」を目指しているという。
この小型センサーのサイズやデザインにもこだわっている。イメージ的には“付け爪”のように、常に身に着けて持ち歩けるサイズを重視。このサイズ感を変更することはないようだ。
今回はリストバンドに装着する形で発表しているが、必ずしも手首に巻くことを想定していない。首に巻くことも考えられるし、時計のバンドに固定する(昔あった、時計のバンドに取り付けるアルミ製のカレンダーのようなイメージ)など、とにかく常に身につけられるようなスタイルで製品化したいとのことだ。
この意図について黒住氏は、スマートフォンよりも人間に近い存在――人間のちょっとした延長程度のデバイスを目指していることを強調。ちなみに、SmartWearのウェアには、「ウェアラブル」と「ソフトウェア」の意味がこもっているとのことだ。

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