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JAL手荷物サービスのバックボーン

空港の裏側に密着! JALの預け手荷物がロストしない秘密

2013年06月30日 12時00分更新

文● 藤山 哲人

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カウンターのキレイなお姉さんを見ている間に
すべて終わっている預け入れ手荷物

 盆暮れ正月などカウンターに行列ができている場合は、ATMみたいな端末ですませちゃうこともあるけど、多少並んでもお姉さんがいるチェックインカウンターを使いたい。だって話したいじゃん。

 国際線だと同じエコノミークラスでもエンジンの前と後ろじゃぜんぜん音がちがうし、ギャレーの近くと遠くじゃ飲み物を頼む気軽さもちがう。満席に近い場合は、窓側と通路側、中央席じゃくつろぎ度も変わってくるので、イヤでも長いことお話できる。でも飛んでも2時間の国内線だと、席にこだわってもそれほど差がないので、チェックインカウンターのお姉さんとお話する時間が短くなる。そこで筆者のように、どんな小さな荷物でも預け手荷物としてしまうのはどうだろう?

貴重品や危険物さえ入っていなければ、どんなに小さい荷物でも預かってくれるので積極的に活用したい。なにせ20kgまでタダだし

 とくに帰りの便だと、もうお土産買ったらからゲート内で買うものはないと思っていても、旨そうな食べ物を見つけて、コンビニ袋が2、3追加されるのが常だ。だからゲートを通るときは、なるべく手ぶらにしておく。これ基本ね。なにより飛行機に手ぶらで乗るってのは、旅慣れている感じがして女子にもモテモテだ。

 さて筆者のように小さいビジネスバッグやリュックでも、預け手荷物する人にはあまり関係ないが、貴重品や壊れ物をできるだけ機内持ち込み手荷物にしたいという場合は、次のような制限がある。

  • 身の回り品1個のほか、3辺(幅、奥行き、高さ)の合計が115cm以内の手荷物1個とし、合計重量が10kg以内(JAL国内線100席以上ある機種の場合)

左のショウケースは、機内持ち込み手荷物としても預け手荷物としても受け付けられないもの。主に火の出るものや引火性の高いもの。右は機内に持ち込める手荷物の大きさ制限

 機内持ち込み手荷物は、たいてい1個の個数制限があるので、とくに女性はハンドバッグもカウントされるか気になるところだろう。この辺は「常識的な範囲で複数持ち込み可能」とあいまいになっている会社も多いが、JALの場合「ハンドバッグやショッピングバッグはカウントしない」と明記している。

 ではウェストポーチとセカンドバッグとリュックサックの3つはどうよ? といろいろパターンが出てくるが、たいてい持ち込みOK。「持ち込み手荷物の3辺の和が○cm以内」としているエアラインが多いが、JAL含め他も「手荷物の合計した3辺の長さ」としているところが多いようだ。ただこれは筆者の経験上の解釈なので、厳密に知りたい場合はエアラインに問い合わせて欲しい。

 さて機内に持ち込めない重く大きな荷物だと、必然的に預け手荷物になるが、ここにも制限がある。国内線の預け手荷物は、次のような制限がある。これを越えると有償扱いの手荷物になり、料金が別途必要になる。

  • 1人20kgまで無料(個数制限なし)
  • 50cm(幅)×120cm(奥行)×60cm(高さ)以内

カウンター脇の台が量りになっている

新ユニフォームにちょっと萌えながらチェックインを済ませる

 さて手荷物をカウンターで預けると、カウンター脇のデジタル表示が重さを示していて、100g単位で重さが計測される。これらはすべてコンピューターに登録されて、目的地までトラッキング(追跡)される。もちろん途中でトランジット(乗り換え)があっても追跡可能だ。

カウンター脇にある表示は、荷物の重量。この場合2.7kgなのでほぼ衣類だけって感じ

 ちなみにJAL国内線の場合だと総重量20kgまでなら何個でも預け手荷物にできるので、規定サイズ内なら旅行カバン2つとベビーカーの3つを預けるなんてこともOKだ。

手荷物は破損も保障されるので、あらかじめ目立った破損がないかをチェックされる

端末を操作すると発行されるタグを預け手荷物につける

 預けた手荷物の情報は乗客とも関連付けられ、専用のデータベースに記録される。そしてデータベースへ登録完了すると、おなじみのタグが印刷され手荷物の取っ手などに貼り付けられるというわけだ。

手荷物はカウンター裏にあるコンベアに載せられ次の工程に流れていく

 タグが付けられた手荷物とは、ここでお別れ。後はJALの手に委ねられる。受付カウンターの後ろにあるベルトコンベアに乗せられ、まず発行したタグの読み込みが行なわれる。これで搭乗客の手から離れたという儀式であり、手荷物を追跡するコンピュータの追跡が始まるのだ。

 次に通るのはX線検査。ここでは預け手荷物としてNGなものがカバンの中に入っていないかがチェックされる。旅客はちょうど搭乗券をもらっているタイミングなので、NGなものが見つかればすぐその場でバッグを開けてもらい確認できるようになっているのだ。預け手荷物のNG品は次のようなものだ。

  • コンロ用のガス、殺虫剤、ペンキ、クラッカー、マッチ、ライター、燃料、花火、漂白剤

 色々あるので覚えるのはムリだが「火がつくものはダメ」と覚えておくといいだろう。これからのシーズンだと、花火やキャンプ用のガスや燃料などを預け手荷物にしたいところだが、これらはすべてNG。機内持ち込み手荷物としてもNGなので、旅客の了解の下、破棄処分になるので注意。

 これら以外で機内持ち込み禁止品は、預け手荷物としてなら受け付けてくれる。よくやりがちなアーミーナイフや筆箱に入れてあったはさみなどは機内持ち込みできないが、預け手荷物ならOKだ。

 機内持ち込み禁止品は、基本的に「(がんばれば)人を切る、殴る、刺せるもの」となっている。「がんばれば」というのは、裁縫の裁ちばさみは完全にアウトだが、ソーイングセットのちっこいはさみもアウトになっちゃうということだ。

手荷物は巨大なバーコード読み取り機、続けてX線検査を受ける

赤いレーザーの線が見えるのはバーコードリーダー。奥の機械がX検査機

 オモシロネタとしてJALが教えくれたのは、お酒の扱い。アルコール度数24度以下は、機内持ち込み手荷物としての制限はない。しかし24度超になるといずれの手荷物でも5リットル以下の制限がかかるという。お土産の焼酎などは注意したほうがいいだろう。

 さらに度数の高いウォッカをはじめとした酒は、引火性危険物扱いとなり機内持ち込み手荷物も預け手荷物もNGとなる。他にも意外なのはライフルの弾。機内持ち込みはNGだが、預け手荷物だと火薬が入っていても5kgまでOKという。

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