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エンジンの中まで見える!?

空の安全を支える日本航空の整備工場に潜入!

2012年12月03日 23時33分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 観光や帰省、ビジネスなど、現代人が飛行機に乗る機会は多い。そんな飛行機の安全で確実な運航を支えるために、航空会社では日夜多くのスタッフがさまざまな仕事をしている。しかし一般客が目にする航空会社のスタッフといえば、キャビンアテンダントやパイロット、チェックインカウンターの職員くらいで、それ以外のスタッフが働く場を目にすることはほとんどない。

 そんな航空運航の縁の下の力持ちたる人々が働く現場を、見学するイベントが開かれた。日本航空(以下JAL)は2日、成田空港敷地内にある同社のオペレーションセンターと整備工場の報道関係者向け見学会を開催。飛行機を飛ばす前の業務や整備工程といった、目にする機会のほとんどない業務の一部が公開された。

出発前にパイロットに情報を伝える
オペレーション業務

 旅客機は実際に飛ぶ前に、綿密な飛行計画を(フライトプラン)立てて運航されている。それはどこからどこまで飛ぶ、燃料はどれくらい積むといったことだけでなく、飛行経路の策定や途中の気象状況、目的地に着陸できない場合の代替空港、そして飛行中に何か問題が生じた際に降りるための最寄り空港などを、あらかじめ調べて決めておくわけだ。

 まず最初に見学したのは、成田空港にあるJALのオペレーション部門だ。出発前の運航乗務員(パイロット)はここの「ブリーフィングカウンター」を訪れて、フライトプランを確認して、運航に必要な情報を受け取る。

出発前にフライトプランを確認する「ブリーフィングカウンター」。多数の書面とPCを駆使してさまざまな情報を確認する

 フライトプランや関連する情報は当然ながら専門的な記号や数字のカタマリだが、飛行経路の情報や途中の天候など、興味深い情報がたくさんある。特に天候については、一般的な天気予報では目にすることのない、ジェット気流の位置や高度といった情報や、機体を揺らしたり場合によっては飛行に危険をもたらすこともある「晴天乱気流」(CAT)といった情報は、飛行機の運航ならではの情報だ。これらの情報を事前に確認しておけば、揺れが少なく経済的で時間も正確な飛行経路を選べるわけだ。天候に関する情報は各地での気象観測だけでなく、実際に付近を飛んだパイロットからの「パイロットレポート」(PIREP)の情報も反映されているという。

飛行経路を示す図のひとつ。赤線が経路で、オレンジの丸は3時間以内に緊急着陸できる施設がある範囲を示す円(ETOPS)。飛行経路は必ずETOPSの範囲に施設があるように決められている。ETOPSの範囲は機種により異なり、ボーイング787は3時間で、ボーイング777は2.3時間とのこと

バランスよく荷物を配置
ロードコントロール業務

一見するとごく普通の事務オフィスに見えるが、飛行機の積荷配置を決める大事な部署がロードコントロール部門だ

 次に見学したのは、「ロードコントロール」部門。ロードコントロールとは、飛行機の床下に積む貨物をどのように配置するかを決める部署だ。飛行機が安全に飛ぶためには、積み込む貨物の重さはもちろんのこと、重心位置に応じた配置も重要だ。配置のバランスが悪ければ、飛行機が傾いたときに前後左右の重さのバランスが崩れて、危険な状態になることもありうる。

ロードコントロール部門の端末。画面にはボカシを入れているが、ここでコンテナの名前や重さ、配置などが表示されている

こちらは飛行機ごとの貨物の配置を示す図。飛行機の種類によっても、当然配置は異なる

 ロードコントロール部門では、飛行機に積むコンテナやパレットごとに重さを確認して、適切な配置を検討し割り振りする。当然ながらコンテナごとに重さは異なるので、何をどこに積むかは慎重かつ迅速に検討しなくてはならない。国際線の場合、出発の15分前までに確定させて、パイロットに伝える必要があるとのことだ。ちなみに、ロードコントロールがどこに荷物を配置するかはコンピューターが自動割り振りしてくれたりはせず、担当者が考えて配置を決め、それが不適切な場合にコンピューターが警告を出す仕組みだとのこと。担当者の経験も重要になるわけだ。

 次はいよいよハンガー(格納庫)で整備中の機体を見学する。

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