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スマホで始める「音楽アプリ部」 第2回

初心者からプロまで満足できる

JamUP Pro XTはギタリストにとってのベストアプリだ

2013年06月06日 16時00分更新

文● 藤村亮

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純正インターフェースのノイズ処理は今ひとつ

 JamUp Pro XTにはPositive Grid社開発の純正インターフェースがあるのですが、音のクセか、1.6~3.2kHzのあたりがやけにピーキーでノイズが少し気になりました。

このサイズはとても魅力的。ノイズの処理さえクリアできれば最高でしょう

 ノイズゲートをかければクリアできる問題ですが、そうすると当然ピッキングやギター側のボリュームを絞った時のレスポンスは悪くなります。結果、音作りの幅が狭まってしまう。

 純正インターフェースのサイズの小ささは魅力的ですが、音を重視するなら、他のインターフェースを使う方が良さそうです。ちなみに私はIK Multimedia社のiRig HDを使用しています。

 レイテンシー(信号の遅れ)に関しては、ヘッドフォンで使用する際には気にならない程度です。スピーカーやアンプから音を出す時には、SettingのOutput Selectorの変更と併せてノイズゲートの設定も調整した方が良いかもしれません。

 実際にスタジオセッションとライブステージで使用したところ、DIで直接PAに信号を送るよりも、アンプを通して鳴らした方が、音のまとまりが良かったです(アンプには練習スタジオやライブハウスの定番であるRolandのJC-120を使用)。

 アンプモデルのキャビネットシミュレーターをオフにすることはできませんが、実用上の問題はありません。

ギタリストの目線や共通言語を理解したアプリ

 全体的なデザインにギタリストの目線や共通言語を理解している感じがあり、好感が持てました。シンプルながらポイントをきちんと押さえた質の高いアンプモデリングのおかげで、音の面で安っぽさは皆無。

 実際に私の所属バンド・流天のスタジオセッションで使用してみたところ、バンドメンバーからも「iPadひとつでそんな音するんですか?」と驚きの声が上がりました。

 エフェクターも数はそれほど多くないですが、効きが良いので薄くかけて香り付け程度からコテコテのエグみのあるサウンドまで作れます。小難しく考えず、簡単に様々な音作りを楽しめるのがイイですね。

 基本的な完成度が高いので、アンプヘッドとキャビネットの分離や、マイキングの調整、同時使用可能エフェクト数の増加、ルーティングのバリエーションなど、更に突き詰めていけるだろうと期待してしまいます。

  また、用途や欲求に応じてアドオンを足していくというのも、ギタリストなら一度は経験したであろう、コンパクトエフェクターを新しく買っては繋ぐ楽しみに通じるものがあります。簡単なレコーディング機能もちょっとしたアイデアスケッチに便利です。贅沢を言えば、帯域を調整できるパラメトリックタイプのEQとハーモナイザーの入ったアドオンも追加して欲しいかな。

 今回はiPadで試しましたが、ピック2枚サイズのインターフェースとiPhoneだけでこれほどの音が作れるかと思うと、素晴らしいの一言に尽きますね。またAmplitubeなど、他のアンプ系アプリケーションと比べプライスにも驚きです。基本パックではオミットされて暗色表示になっているアドオンのアンプやエフェクターを見ながら、次はどれを入れてみようかと考えています。

 シンプルかつ低価格、それでいて高品質なJamUp Pro XT。部屋での練習からスタジオセッション、更にはライブまで。どんなシチュエーションでも使えるギターアンプアプリとして、ベストと言える出来だと思います。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年埼玉県生まれの音楽家。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年にベルギーのインディーズレーベルと契約を交わし"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国で行われるJ-Musicイベントなどにゲスト参加。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度に渡るライブツアーを行なう。2013年4月、ロックバンド"流天"を結成。ヴォーカルとギター、作詞作曲を担当。愛用のIbanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックジプシー。

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