このページの本文へ

BYOD解禁!モバイルでビジネスが変わる 第10回

東京第6データセンターや最新クラウドサービスも要チェック

BYODの実践も披露!NTT Communications Forumの注目展示

2012年10月26日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

10月25日、NTTコミュニケーションズはプライベートイベント「NTT Communications Forum 2012」を開催した。展示会場では、インフラやアプリケーションまでを包含した幅広いクラウドサービスが披露されたほか、自社が実践したBYODをユーザーにも啓蒙していく。

最新クラウドサービスとデータセンターが披露

 NTT Communications Forum 2012の展示会場は、おもにクラウドやデータセンターを中心とするICT基盤、BYODやアウトソーシングなどを切り口にしたアプリケーション、近年注力するマーケティングやビッグデータ分野などに別れている。

 プライベートクラウド向けの「Bizホスティング Enterprise Cloud」のコーナーでは、サービスの特徴であるGUIのカスタマーポータルが試せる。OpenFlow採用によるバックアップ帯域の拡張やVPNゲートウェイを介したセキュアな通信など先端的な特徴を持つ同サービスだが、最新版ではサーバーのセグメントが最大24まで拡張されているという。

Bizホスティング Enterprise Cloudのカスタマーポータルが試せる

 また、パブリッククラウドの「Bizホスティング Cloud (n)」では、先日発表されたばかりの「Cloud (N) Storage」サービスが披露された。イレブン9という強固な可用性、GUIツールやAmazon S3互換APIによる柔軟なデータ操作、そして10円/1GBを切る低廉な価格が大きな売りのストレージサービスだが、会場では実際のコントロールパネルを試すことができる。

 データセンターの分野では、現在建設中の東京第6データセンターが紹介されていた。東京第6データセンターは、昨年文京区にオープンしたばかりの東京第5データセンターに続くもので、約3000ラックを収容できる都市型データセンターになる。最大の特徴は集積密度の向上によるコストパフォーマンス。従来、同社のデータセンターでは、また、40Uラックを採用し、最大供給電力6kVA/ラック、最大搭載500kg/ラックというスペックだったが、建築中の第6データセンターでは水冷と外気冷却を導入。新たに47Uのラックを採用し、最大供給電力9kVA/ラック、最大搭載750kg/ラックという、従来の50%増のスペックを実現した。

東京第6データセンターの展示では、既存のラックとの比較もある

 集積密度向上のもう1つの秘密兵器が、発電機とUPSを一体化したロータリーUPSの採用。バッテリスペースが不要になるため、大幅な省スペースが実現するという。シンガポールのデータセンターで先んじて導入していたが、このたびいよいよ国内で初採用になるという。その他、機器の誤作動を抑制する4種類の免震装置、通信回線用の耐震トンネルであるとう道への直接接続など、さまざまな特徴を持つ。竣工は2013年4月の予定とのことで、完成が楽しみだ。

自身が実践したBYODをユーザーにも

 今回の展示で特に注目したいのが、BYOD(Bring Your Own Device)をテーマにしたブースだ。私物デバイスを業務で安全に利用するBYODに関しては、ソリューションも多いが、課題も多い。これに対し、NTTコミュニケーションズは、いくつかのBYOD施策を社内で実施してきた。そして、10月に営業部門とプロダクト部門の中間組織として「BYOD推進室」を立ち上げ、同社自身のノウハウを元に、さまざまなサービスをBYODというくくりで紹介していくという。

BYODを用いたNTTコミュニケーションズの「働き方改革」のパネル

 具体的には、会社貸与の端末を廃止し、約3600台にもおよぶ私物スマートフォンの業務利用を許可。スマートフォン向けIP電話サービス「050 Plus for Biz」やデータを端末に残さないセキュアブラウザを利用できる「Bizモバイルコネクト」などを用い、オフィスに戻らない効率的な業務執行を可能にした。また、従業員向けの利用規程や同意書を制定したり、社内ヘルプデスクにおいてもBYOD関連のヘルプにも対応。この結果、年間で1億円という通信コスト削減が実現したほか、会社や社員のBYODに関する不安を解消したという。

 展示では、こうした同社のBYODを支える各サービスやNTTコミュニケーションズの「働き方改革」のパネルのほか、高品質な携帯電話モードの「0035ビジネスモード」と低廉な価格の050 plus for Bizを専用の050番号で発信できる「050 plus for Biz 新パッケージサービス」も用意されている。

「0035ビジネスモード」とIP電話が同居できる「050 plus for Biz 新パッケージサービス」が参考展示

 BYOD分野に関しては、この後もMDM(Mobile Device Management)サービスやマルチデバイス対応の「Bizデスクトップ Pro Enterprise」、業務用の電話番号やメールアドレスをクラウド化した「統合アドレス帳サービス」など、続々と登場する予定。同社の事業の1つの柱となっていきそうだ。

 その他、展示会場ではクラウドマイグレーションを実現した事例、ビッグデータやソーシャルCRM分野のサービスの展示、研究・開発を進めている分野のタッチ&トライコーナーも用意されている。

カテゴリートップへ

この連載の記事