韓国サムスン・エレクトロニクスは24日、ソウル市内にてPC用SSDの新製品「Samsung SSD 840 PRO」「Samsung SSD 840」の発表イベントを開催した(関連記事)。本稿では発表会で説明された両製品の特徴とパフォーマンスに関する情報をお届けしたい。なお、840 PRO/840の両製品を用いたベンチマークテストについては、後日掲載の予定である。
使用開始1日目でも1000日目でも
同じ性能を感じられるように
フラッシュメモリーメーカー最大手であるサムスンが、単体のSSD製品をコンシューマー向けに発売を始めたのは2010年のこと。2011年には「Samsung SSD 830」シリーズを発売し、今では日本でも高性能とコストパフォーマンスの高さで人気を呼んでいるのはご承知のとおり。新商品に関する技術説明会では、まずこのSSD 830の利点について説明された。
SSD 830の開発コンセプトには、「Day 1=Day 1000」というものがあったという。日本語に言い換えると、「使い始めて1日目でも1000日目でも同じ性能を感じられるように」と言えようか。SSD 830は使用し続けても性能低下を感じにくい点に、このコンセプトが反映されている。そしてこの特徴は、840シリーズにも継承されている。そのほかにも、業界一の安定性、信頼性を誇り、エラー率やユーザーからの返品率も低いという。
840 PRO=性能重視のマニア向け
840=メインストリーム向け
既報のとおり、840シリーズにはハイエンド製品の「840 PRO」と、メインストリーム向けの「840」の2シリーズが用意される。840は830シリーズの直接の後継製品となり、830は製造終了となるそうだ。
840シリーズは「主流のユーザーをSSDに近づける製品」に位置付けられる。性能面では830をほとんどで上回り、特にランダムリード/ライトは大きく高速化されている。一方で、シーケンシャルライトではやや遅いなど、コストパフォーマンスを重視した製品となっている。容量ラインナップは120GB/250GB/500GBの3種類。製品本体とマニュアル、ソフトウェアCDが付属する「Basic」パッケージと、環境移行用のソフトウェア(Samsung SmartMigration)や、デスクトップパソコンへの取り付け用金具などが付属する「All-in-one」パッケージが発売される。
840 PROシリーズはその名のとおり、「マニア、専門家など性能を重視するユーザー向け」に位置付けられており、あらゆる性能で830を上回る。容量ラインナップは128GB/256GB/512GBの3種類。パッケージはBasicのみ(OEM向けのバルク製品もある)。
840と840 PROの内部構成やコンポーネントは、ほとんどが同じようなものだ。サムスン製のコントローラーチップには、新しい「MDX」を採用する。830の「MCX」がトリプルコアのARM 9であったのに対して、MDXは同じトリプルコアながら、より新しいCortex-R4を採用している。コントローラーの動作周波数も220MHzから300MHzへと向上している一方で、消費電力も低減されている。キャッシュメモリーは低電圧版のDDR2メモリーを、最大512MBまで対応する(830は256MB)。また、256bitのAES方式の暗号化処理にも対応する。
