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情シス高橋、 NECサーバー+Hyper-Vに行き着く 第1回

サーバー統合&リプレースプロジェクトに異状あり!

仮想化、省エネ、災害対策まで!サーバー選びは課題満載

2012年06月26日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp イラスト●野崎昌子 
記事協力●NEC

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省エネは必須!性能も使い勝手も変えるな!

 今回のサーバーリプレース&統合プロジェクトは、社内にあるファイルサーバー、業務アプリケーションサーバー、DBサーバー、Webグループウェアサーバーなど計6台を仮想化によって2台のサーバーに統合するというものだ。旧サーバーは3~5年前に導入した製品で、サーバーOSもWindows Server 2003がほとんど。これらを最新Xeonプロセッサーのサーバーに仮想化集約することで、電力やスペース、運用コストを大幅に削減できる。可能であれば、データセンターに設置することで、運用管理の負荷を減らしたい。情シス高橋としては、節約できたコストを、より新しいアプリケーションの導入に充てたいのである。

 プロジェクト予算措置は、高橋の目論見通り通ったものの、いくつかの検討課題も同時に浮かび上がった。

 まずは省エネの効果だ。サーバーの仮想化集約において、経営陣や総務部から評価されたのは、コストやスペースよりも、実は電力コストが減るという点である。昨年の電力不足とそれに伴う数値目標の遵守は、経営陣や総務部にとってかなりのインパクトだったよう。まして「コンピューター=電気を食う」というイメージがあり、「6台から2台になるわけだから、相当減るんだろうね」と上司からは数値まで出すよう要請された。省エネを副次的な効果として考えていた高橋にとって、これは予想外の事態であった。

 一方で、現場の期待は、なにより使い勝手が変わらないことだ。その上、3~5年前のサーバーがリプレースされるわけだから、むしろ高速になるだろうくらい思われている。確かにマルチコアCPUを搭載した最新サーバーの性能はきわめて高速で、メモリやHDD容量も大きい。また、OSも最新になるのであれば、安定度やパフォーマンスも高くなると見込まれる。しかし、実際どの程度かは調べてみないとわからない。

仮想化や省エネ性能を検証してみましょう

 性能測定や製品選定に悩んだあげく高橋は、古巣のSIerの上司にあたる本山課長に連絡を取った。同社にはAMWのシステム構築や製品選定もおねがいしており、本山課長はオープン系システムにとても強い。息子と共にオタクカルチャーに造詣が深く、ときおり業務に持ち込もうとするのが玉に瑕だが、高橋にとっては気楽に相談ができるパートナーだ。高橋はさっそくプロジェクトについて相談してみた。

古巣のSIerで上司だった本山課長に聞いてみた

本山課長:高橋君、久しぶり~。この間、AMWさんのラノベのイラストで作ったサーバー用ベゼルが大人気なのよ!試作で作ったら、ラックマウント用までほしいと言われてしまって、急遽発注を……

情シス高橋:課長!ちょっと待ってくださいよ。先日、話をしていたサーバー統合&リプレースプロジェクトが経営会議で通ったんですよ。ちゃんと予算確保しましたから、まずは相談載ってくださいよ。

本山課長:えっと、6台のサーバーを仮想化でまとめようという話だね。だったら、NECのラックマウントサーバーにHyper-Vで載せちゃおう。安定度の高いWindows Server 2008 R2のHyper-Vで、ファイルサーバーとか、業務サーバーを巻き取って、最新のXeonサーバーで動かしたら、スペースも、電力も食わない。うちの部でも、けっこう導入実績あるから、これで決まりね~。

情シス高橋:だ・か・ら、課長!勝手に進めないでくださいよ。経営会議で、仮想化でどれくらいとか、省エネ効果とかは、きちんと導入前にレポート出さなければならないんですよ。

本山課長:高橋君!なんて渡りに船。だったら、来週いっしょにうちの会社来てよ。最近、仮想化集約の案件が多いから、顧客向けにセミナーやろうと思って、うちのエースエンジニアの鈴木君と検証環境を作っている途中なんだ。せっかくだから、AMWさんのリプレース事例をモデルにして、どれくらい効果ができるか、調べてみようよ。その時にさっき話していた、特製萌えサーバー用ベゼルの実物を……。

情シス高橋:わかりました!じゃあ、旧サーバーのスペックや用途、リプレース後の要件とかおおまかにまとめて送っておきます。

 ということで、次回はNECのサーバーとWindows ServerのHyper-Vを使って、6台のサーバーを仮想化してみる。仮想化で性能はきちんと出るのか? 気になる省エネの効果はいかに!

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