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NECが考える今必要なオフィスサーバーの姿 第2回

徹底的な省エネと仮想化前提の基本性能の底上げが鍵

これがNECの新オフィスサーバーに買い換える理由

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前回は、日本の中堅・中小企業で圧倒的な導入率を誇るオフィスサーバーの課題について考えてみた。こうした課題に対して、6月に新サーバーを投入したNECは、徹底した省エネと仮想化を見据えた基本性能向上を打ち出している。

 

徹底的な「省エネ」で日本のオフィスを救う

 NECが6月に発表した新サーバーで特にアピールしたのが、徹底的な省エネ。「導入」「運用」「空調」の3つの観点で「エコ」を追求している。NEC プラットフォームマーケティング戦略本部 主任の高橋輝圭氏は、「大震災があって、今後のシステムの新規提案では災害対策と節電という要件が新たに重視されてくると思います。こうした中、導入するだけでエコというサーバーは中堅・中小企業のみなさんにも訴求するメッセージだと思いました」と語る。

 

NEC プラットフォームマーケティング戦略本部 主任の高橋輝圭氏

 もともとNECは全社ぐるみで省電力な製品開発を行なっているが、「震災を契機に見直されてはいますが、電力消費の増大はいずれにしても大きな問題となってきます」(高橋氏)ということで、昨今はより高いレベルの省エネ化を進めているという。大震災以降の計画停電や厳しい節電義務などもあり、より踏み込んだ施策が必要だ。

 これに対して、まず新製品では高性能電源や省電力CPUなどを採用し、サーバー単体での省エネ化を推進した。具体的には、3モデルで最大変換効率90%の80PLUS Gold電源を採用したほか、5モデルでサーバー版国際エネルギースタープログラムに適用した。その他、インテルの最新CPUや2.5インチHDDを採用。3年前のタワー型サーバーに比べて、約32%の消費電力の削減を実現した。

 

 また、効率的に節電運用が行なえるよう、サーバー管理チップ「EXPRESSSCOPEエンジン」と管理ツール「ESMPRO」を連携させた管理機能を強化した。リモート監視や制御機能を拡充し、データセンターでの運用を容易にしたほか、UPS未接続のシステムでもスケジュールに従って、きめ細やかなシャットダウンや電源投入を行なえるようにした。さらにサーバーの消費電力を測定し、きちんと見える化できるようにツールを強化したほか、電力利用量に上限値を設ける「パワーキャッピング」などをサポートした。評価すべきなのは、節電運用ができない「絵に描いた餅」にならないよう、これらの機能がすべて標準で提供されている点だ。

 

管理ツール「ESMPRO」からシャットダウンや電源投入を詳細に制御できる

 そして極めつけは、従来の35℃だった動作環境温度を最大40℃にした点であろう。これはオフィス内の空調設定温度が高くなっても、安定した動作が可能になるよう、部材やエアフローを最適化し、空調面での節電サポートするというものだ。徹底したパーツ選定やシミュレーションはもちろん、大型ヒートシンクやダクトの採用、冷却効果を高めるファンのオフセット配置など、実に細かいこだわりが40℃稼働を可能にした。マザーボードレベルまで自社で設計・開発を行なっているNECならではの芸当といえる。

 

 この背景には、データセンターでは空調が電力利用の30%程度なのに対し、オフィスでは空調の電力利用が全体の半分近くを占めるという実情がある。とはいえ、節電のためにオフィスの空調温度が上がると、オフィスサーバーの動作が不安になる。もちろん、オフィスがいきなり40℃になることは考えにくいが、現場設置のサーバーは概して空気の流れにくい机の下やキャビネットの奥など「熱だまり」な環境に置かれていることも多い。こうした劣悪環境において安定稼働するためのマージンを考えれば、動作温度5℃アップの意義はきわめて大きい。

環境温度40℃対応が必要なオフィスサーバー設置の現場

オフィスだからこそ仮想化でサーバー集約

 エコとともに新製品の大きなテーマとして掲げているのが、「仮想化対応の強化」である。具体的には、仮想化によるサーバー集約を十分可能にするCPUやメモリ、HDD容量など基本スペックの底上げを行なった。以下のとおり、1ソケットのタワー型サーバーを比較すると、3年前のサーバーに比べて性能は2倍、HDD容量も2倍、そして仮想化で特に重要なメモリ容量で4倍のアップとなる。Xeonプロセッサーを搭載するラックマウント型サーバーで比べれば、CPUのコアがクアッドコア化したことで、なんと4倍の性能向上となる。

 

3年前のタワー型サーバーとのスペック比較

 では、なぜオフィスサーバーにおいて仮想化を推進するのか? 前回でも引き合いに出したノークリサーチの調査*1によると、2009年から比べ、2011年(震災前)の仮想化導入率は約2倍に膨れている。その一方、「導入予定なし」と答えた企業も17%から41%に拡大しているのだ。高橋氏は、「2009年は、仮想化が世間で騒がれ、数多くの情報が出てきた年で、みなさん検討はしたと思います。しかし、その後は仮想化によるデータセンターへ集約するという流れと、仮想化をあきらめてデータは現場に置いておくという流れに、明らかに二分化したようです」と分析する。

 しかし、データセンター向けのサーバーではなく、こうしたオフィスにおいてサーバーの集約を進めていくのは、結果的にオフィスサーバーの課題を抜本的に解決する。サーバーの台数自体が減るので、スペースや電力が削減される。また、中堅・中小企業での大きな課題である管理の負荷に関しての解決策ともなる。「オフィスでこそ仮想化」というのは、まさに理にかなっているわけだ。

 

 今まで仮想化プラットフォームとしては、スペックともに価格も高いブレードサーバーが中心であった。仮想化においては、高速なCPUと潤沢なメモリ、高価な外部ストレージというのが当たり前だったからだ。しかし、ハードウェアを大幅に底上げした今回の新製品であれば、使い慣れたタワー型のサーバーでサーバーを集約できる。「ちょっと前までサーバー仮想化は10台規模のサーバー集約がメインでしたが、最近は数台から仮想化したいという声も上がってきています」(高橋氏)という声に応えた新製品は、今後オフィスサーバーの導入を検討するユーザーにとってみると、かなり魅力的といえる。

 さて、ここまでで新オフィスサーバーの重視するエコと仮想化対応というポイントは理解してもらったと思う。次回は、電力削減効果やコストパフォーマンスなど実測した数値を元に、新オフィスサーバーの真の実力を検証していきたい。

 

*1:2011年民間企業IT導入実態調査(ノークリサーチ) 対象企業:1066社(年商5億~500億)

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