次世代の不揮発メモリーを
バッファローメモリがSSDに採用!?
先月、組み込み機器開発の総合展示会「第15回組込みシステム開発技術展」にて、バッファローメモリ※1がSSDのバッファメモリーとして、「MRAM」(Magnetoresistive Random Access Memory)を使った製品を披露して話題を呼んだ。
※1 メルコグループにて産業用組み込みメモリー・ストレージ製品を担当する企業。
MRAMこと「磁気抵抗メモリー」は、次世代のメモリーとして期待されている方式のひとつで、磁気記録の不揮発メモリーだ。今回のキーワード解説は、このMRAMについて説明する。
現在のSSDはNANDフラッシュメモリーを使っていて、HDDと比べると高速で動作音もなく省電力性に優れる。しかし、NANDフラッシュメモリーは書換回数に制限があるため、同じメモリーセルを繰り返し使わないようにする分散書込制御(ウェアレベリング)が必要だ。
また初期のSSD製品には、一時的に転送処理が遅くなる「プチフリ」現象があることが知られている。これは分散化処理のために時間がかかってしまって、書き込みが一時的に遅くなるためだ。そのために最近のSSDはバッファメモリーを用意しており、プチフリが顕在化しないようになっている。一般的にSSDのバッファメモリーにはDRAMを使っている。だがバッファにデータが残っている時に電源が切れると、書き込んだはずの内容が消えてしまう問題がある。
先に紹介した展示会では、電源断に対応した大容量コンデンサー付の製品も展示されていた。これで、突然の電源喪失にも耐えられるというわけだが、それでも信頼性を重視する組み込みシステムに使うためには、不安がまったくないとは言えない。そこでバッファメモリーにMRAMを使った製品を、参考出品したというわけだ。
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