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OpenFlow/SDNの波が来た 第3回

ネットワーク確立から最適化やサービスの検証へ!

イクシア、802.11acとOpenFlow検証をソリューション提供

2012年06月04日 09時00分更新

文● 渡邊利和

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5月31日、イクシアコミュニケーションズ(以下、イクシア)は5月7日付けで発表されたAnue Systems買収を受けた最新の事業戦略と、最新製品であるIEEE 802.11ac対応評価測定ソリューションおよびOpenFlowテストソリューションに関する説明会を開催した。

ライブネットワークへの対応

 イクシアは“統合ネットワーク検証およびアプリケーションデリバリーテストソリューションの業界リーダー”であり、いち早く最新のネットワーク規格に対応するテスト機器を提供することで、ネットワーク機器ベンダーやキャリア/ネットワーク事業者を顧客ベースに持つ。特に日本は新規格への対応が早く、たとえばLTEの商用サービスも世界に先駆けて開始されているといった事情もあって日本市場に対する取り組みも積極的に行なっている。今回の事業戦略説明会でも本社の社長兼CEOのヴィック・オールストン氏が来日して行なっていることからも、同社の日本市場重視の姿勢が覗える。

米イクシア 社長兼CEOのヴィック・オールストン氏

 オールストン氏はまずAnue Systems買収に伴う同社のソリューションポートフォリオの拡大について説明を行なった。イクシアは、「ネットワークおよびアプリケーションの性能試験における業界リーダー」であり、通信機器ベンダーやサービスプロバイダ、大手企業や政府関連機関などを主要顧客としてきた。一方Anue Systemsは「ライブネットワークの可視性およびネットワーク疑似ソリューションにおける業界リーダー」であり、北米市場のキャリアや企業を主要顧客とする。このため、Anue Systemsの買収は事業分野でも顧客面でも補完的な関係となる、理想的な組み合わせだと言い、イクシアは日本市場に強みを持つことから、Anue Systemsのソリューションを日本に紹介することにも注力していくという。

 Anue Systemでは、ライブネットワークの可視化に強みを持つ。イクシアのテストソリューションは、ネットワーク構築段階での性能試験や各種検証作業に強みを持つが、今後はAnue Systemsのソリューションによって本番稼働開始後のネットワークを対象とした可視化やパフォーマンス把握までカバーし、事業領域を拡大していくことになる。さらに今後数年のスパンでクラウドネットワークを対象としたサービスの妥当性検証などの事業が拡大していくと見込む。

802.11acとOpenFlowへの検証にも対応

 また、米国で4月に発表された最新製品として、第5世代Wi-FiとなるIEEE 802.1ac対応のデバイスとネットワークの検証に対応した「IxVeriWave Wi-Fi製品スイート」と、OpenFlowテストソリューション「IxNetwork」「IxANVL」の説明も行なわれた。

米イクシア 市場開発担当シニアマネージャー ジョセフ・ゼトー氏(Joseph Zeto)

 IxVeriWave Wi-Fi製品スイートでは、新たにIEEE 802.11ac対応のハードウェアモジュールが追加され、「RFテスト」「障害ツール」「トラフィック生成」の3機能を単一ソリューションに統合している。フルレートでのIEEE 802.11acトラフィックを生成し、かつ500台の端末からの同時アクセスをエミュレートできるという。

 「IEEE 802.11対応IxVeriWave Wi-Fi製品スイート」の価格は1122万円からで、提供開始は7月の予定。

 またOpenFlowテストソリューションでは、OpenFlowプロトコルエミュレーションを実現し、OpenFlowコンプライアンステストを行なえる。「IxNetwork」はOpenFlowコントローラをエミュレートし、フローテーブルエントリの円光およびフォワーディングテスト用のトラフィックを生成できる。「IxANVL」はスイッチプロトコルのコンフォーマンステストを行なうためにOpenFlow v1.0のテストスイートを実装している。

 「IxNetwork:Openflowエミュレーションテストスイート」の価格は1426万6000円からで、提供開始は8月の予定。「IxANVL:OpenFlowコンフォーマンステストスイート」の価格は339万円からで、提供開始は7月の予定。

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