モバイルデバイスを社内でも手間なく運用
MDM機能も盛り込んだBYOD管理ツール「Aruba ClearPass」
2012年03月06日 06時00分更新
3月5日、アルバネットワークスは私用のデバイスを業務に持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)での活用を促進させるデバイス管理ソリューション「Aruba ClearPass」を発表した。また、BYODの課題に対応する技術者認定制度も発表した。
WebポータルからセキュアなBYODを可能に
アルバネットワークス(以下、アルバ)は、エンタープライズ無線LANのベンダー。昨今は私物モバイルデバイスを業務に導入するBYODの需要に応えるべく、「ユーザー」「デバイス」「ロケーション」「アプリケーション」などを組み合わせたコンテキストを識別し、最適なポリシーを適用する「Aruba MOVE(Mobile Virtual Enterprise)」と呼ばれるアーキテクチャーを推進している。今回追加されたAruba ClearPassは、デバイスのプロビジョニングやアクセス管理など、従来MDM(Mobile Device Management)で担っていた機能の一部を実現する管理ツールになる。
冒頭、日本法人社長の松本洋一氏は、グローバルでの好調な業績や1500名強の従業員、2万社を超える顧客数などをアピールした。次に国内でのモバイル端末を取り巻く状況として、スマートフォン、タブレット端末の業務利用率が58%、BYODと呼ばれる個人モバイル端末の業務利用が29%におよんでいる調査結果を披露。こうした需要の急増に対して、単なる物理層のリンクだけではなく、「デバイスやエンドユーザーまでを含めたコンテキストを識別する。快適さと信頼性を担保した最適なネットワークを提供するのがアルバのミッションだ」と述べた。
続いて、米アルバ 最高マーケティング責任者 ベン・ギブソン氏が、モバイルデバイスの業務利用やBYODが急速に拡大している現状と、企業のPCの種類がWindows PCからiOSやAndroid端末に移っている調査結果を披露した。「たった2~3年の間で、Windows+Intelのデバイスが50パーセントに落ちてしまった。iOSやAndroidのデバイスがエンタープライズで利用されるようになっている」(ギブソン氏)。
また、同氏はBYODの現象を「エンドユーザーは好きなデバイスを利用できる。CIOにとっても企業のデバイスを減らし、余ったお金を新しいITに投資できる」(ギブソン氏)とポジティブに捉えた。こうしたBYODを実現するため、セキュリティの確保や従業員とゲストの区別、管理負荷の軽減などが重要だと指摘した。
これに対してAruba ClearPassでは、私物PCのネットワークやセキュリティ設定を自動化するプロビジョニングゲートウェイとして機能する。ユーザーはWebのポータルにアクセスし、デバイスを登録。接続やVPN、メールなどの設定データ、アプリケーションのインストーラを取得する。ユーザーやグループの種別に合わせて、異なるポリシーを設定することができ、ゲストアクセスの登録も自動化するという。また、特定のスイッチやクライアントに依存せず、有線、無線など異なるネットワークを1つのポリシーで運用できるのも特徴。シスコのネットワークセキュリティ技術「TrustSec」のソリューションよりも大幅にコストを削減できるという。
Aruba ClearPassの販売価格は最小構成(5000エンドポイントに対応するアプライアンス構成)で299万9000円~。4月より提供を開始する。
同社はあわせて、BYODのネットワーク課題に対応する技術認定制度「Aruba Certified Solutions Professional」を発表した。無線の基礎知識やWiFi設計、認証、暗号化、モバイルデバイスのプロビジョニングなどのトピックを扱い、Aruba製品のリモートハンズオンなどを活用した遠隔学習が提供されるという。
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