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最新ユーザー事例探求 第12回

社屋の引っ越しを機にデータセンター移転

名より実を取る!ダイヤル・サービス、KVH IaaS導入を語る

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電話秘書サービスや育児相談などのサービスを提供するダイヤル・サービス株式会社(以下、ダイヤル・サービス)は、社屋移転を機にKVHの通信サービスやクラウド、UCS(Unified Communication Service)などをまとめて導入した。

システム主体の会社のようにコストがかかっていた

 ダイヤル・サービスは、日本で最初に電話秘書サービスや育児相談「赤ちゃん110番」をスタートさせた総合サービス&コンサルティングを生業としている。代表の今野由梨氏は日本初の女性起業家としても知られており、もともとは1970年代に女性7人で始めた無料の電話サービスからスタート。「当時、核家族化が進んで、コインロッカーベイビーが増えてきた社会状況もあり、育児ノイローゼに悩む母親の電話相談を受け始めたのが、赤ちゃん110番の始まりです」(事務管理部長 田中周平氏)ということで、営利企業でありながら「世の中の役に立つ」というのを大きな社是としている。現在は、秘書代行や健康や悩み相談、ハラスメント相談などを官公庁や民間企業から受託している。

ダイヤル・サービス 事務管理部長 田中周平氏

 こうした業態から同社の情報系システムは古くから自前の交換機を中心に構築されていたが、最近はWeb系の相談システムも手掛けており、外部向けのサーバーも抱えるようになってきた。「ハラスメント系など込み入った内容の通報をWebから受けるので、監査等にもきちんと対応できる安全な場所にデータを確保する必要がありました」(事務管理部 ICTチーム 日置真治氏)とのことで、約5年くらい前からデータセンターにWebやDBサーバーをコロケーションしていたという。

 しかし、データセンターの契約を更新するにあたって、コストの問題が浮上した。「もともと電話サービスが主体なので、外部の情報系サーバーは決してメインというわけではありません。それにしては、重厚長大なシステム主体の会社のようなコストがかかっていたんです」(田中氏)という。契約更新によって、リース料が上がってしまうという事態や急遽2011年3月に社屋を移転するというタイミングも鑑み、データセンターの移転を早急に実施することになった。

 結果として、同社が選択したのが、KVHの従量制クラウドサービス「KVH IaaS」である。また、インターネット接続サービスやユニファイドコミュニケーションサービスのほか、データセンターの移転に関するコンサルティングもKVHが提供し、情報系システムの基盤をトータルで任せた形だ。

低廉なコストと高いレベルのサービスが大きな魅力

 KVHは、1999年にKVHテレコムとして創業された外資系のサービスプロバイダで、国内で自前のネットワークとデータセンターをベースに情報デリバリー・プラットフォーム戦略を展開する。金融系のユーザーを数多く抱えているのが特徴で、昨今はKVH IaaSのようなクラウドサービスに注力している。とはいえ、知名度はまだ高くなく、日置氏も「けっこう長い期間社内SEをやっていますが、率直にいってKVHさんは存じていませんでした」と語る。

ダイヤル・サービス 事務管理部 ICTチーム 日置真治氏

 KVH IaaSを導入するきっかけは、昨年の立ち上げる予定だった新しいサーバーの調達だ。「前のデータセンターの契約が残っていましたので、新しいサーバーの見積もりをとったのですが、かなり高額でした。そこで、業者からKVHさんをご紹介いただき、見積もりをいただいたら、かなりリーズナブルな料金を提示してもらいました」(田中氏)というのが経緯である。その結果、ダイヤル・サービスでは昨年8月から開発用の仮想サーバーとしてKVH IaaSの利用を開始。その後、社屋の引っ越しの話が突然沸き上がったことで、既存データセンターのサーバーをKVHのデータセンターに移し、ネットワークも乗り換えることにしたという。

ダイヤル・サービスによるKVH IaaSの導入

 KVHのサービス選定について日置氏は、「個人的には、回線の品質が高いのに、コストが安いという点に驚きました。あとはデータセンター移行に関するコンサルティングをおねがいしたり、旧社屋、新社屋、そしてデータセンター間のEthernet回線も融通していただいたので、引っ越しの際には非常に助かりました」と述べており、低廉なコストに加え、サービスの充実が導入の大きな決めてとなったという。「データセンターだけではなく、ネットワークを持っているのはやはり強いですね」と、田中氏はKVHの強みをこう総括した。

 ダイヤル・サービスが導入したKVH IaaSは、サーバー、ストレージ、ネットワークなどを組み合わせるIaaSで、2営業日以内での提供、99.9%のSLA、KVHのEthernet回線による閉域網接続などの特徴がある。日置氏は、「以前は4台の物理サーバーでしたが、移転後は仮想マシンからiSCSIボリュームにつなぎ込みました。OSやミドルウェアが古かったのが悩ましかったのですが、KVHさんに最新のプラットフォームでアプリケーションの動作を調べてもらったほか、エラーがあった場合、あわせてコンパイルしてもらいました」と、ここでもKVHの専任チームによるコンサルティングサービスが充実していたという。また、従来のデータセンターでは、ケーブルがラック間で渡りになっていたこともあったが、KVHのデータセンターではVLANなどを使って柔軟にネットワークが構成できたとのこと。

 3月の社屋移転と、4月のデータセンター移転が続き、あわただしいスケジュールだったが、プロジェクトは無事完了し、システムも安定稼働しているという。今後の予定としては、やはり現状古いままで持ってきているサーバー構成の整理、あるいは分散しているデータベースの統合などを進めて行きたいとしている。さらにBCPや在宅勤務という課題もあり、KVHのインフラを活用し、たとえば相談者や災害時のオペレータを分散させるといったことも検討しているという。

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