“ソーシャルアプリ”を生み出したFacebook
Facebookの正体は? ── その光と影
2011年01月06日 09時00分更新
いま、Facebookが熱い。
Facebookとは、世界中で使われている世界一ユーザー数の多いSNSだ。当初は、ハーバード大学の学生だったCEO兼ファウンダーのマーク・ザッカーバーグ氏(以下、ザッカーバーグ)により、学生用SNSとして作られた。アクティブユーザー数は既に5億人を突破し、世界131ヵ国中111ヵ国でトップシェアのSNS (2010年6月時点)となっている。
今年、Facebookをテーマとした映画「ソーシャル・ネットワーキング」が公開されることも、注目を集めている理由のひとつだ。ザッカーバーグは雑誌「Time」誌の2010年の顔に選ばれており、「今年世界にもっとも影響を与えた人物」として特別号の表紙を飾っている。
日本でも注目が集まりつつあるFacebookを取り上げ、短期集中連載を行なう。初回は、Facebookの光と影にスポットを当てる。
“ソーシャルアプリ”を生み出したFacebook
メディアなどでも“ソーシャルアプリ”という単語が取り上げられることが増えてきた。ソーシャルアプリとは、SNSをプラットフォームとしたウェブブラウザ上で動作するAPIなどの動作環境を基盤として作られたアプリケーションソフトのことだ。そのうちのゲームを特に、“ソーシャルゲーム”と呼ぶ。
2007年、Facebookはアプリケーションを開発するためのAPI「Facebook Platform」を公開し、それを使ったゲームが多数生まれた。
“ソーシャルアプリ”という概念はこの時生まれた。
中でも、Zyngaによる農場育成ゲーム「FarmVille」は、5400万人以上という Facebookでも最大のユーザー数を誇り、2009年度のソーシャルゲーム・オブ・ザ・イヤーにも輝いている。
Facebookのあるソーシャルアプリのデベロッパーは月に100万ドル(約1億円)を稼いでいるといい、Facebookのソーシャルアプリ市場は、2010年で1300億円を超えると予想されている。
Facebookが米国最大のSNSとなった背景には、ソーシャルアプリでの成功が大きいと考えられる。Facebookが成功したのを受けて、日本でも次第に取り入れられるようになり、今のソーシャルアプリビジネスの隆盛につながっているというわけだ。
日本では、mixiの「ソーシャルアプリケーションアワード2009」グランプリを受賞した農場育成ゲーム「サンシャイン牧場」や街育成ゲーム「まちつく」、GREEの釣りゲーム「釣り★スタ」、モバゲータウンの怪盗ゲーム「怪盗ロワイヤル」などが有名だ。GREE、モバゲータウンの今の人気はソーシャルゲームの力が大きいし、mixiでも、ソーシャルアプリ導入以降、停滞気味だったページビュー(PV)が一気に伸びている。

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