
ローソン、無印良品、リクルート――世界6億人ものユーザーを抱える巨大SNS「Facebook」の日本での本格的なブレイクを前に、ファンページを開設する企業が相次いでいます。しかし、国内でのFacebookの企業活用はまだ始まったばかりで、実際にどのようにしてFacebookページ(ファンページ)を作り、運用したらよいのか? 多くの企業が手探りの段階です。
本連載では、Facebookページの作成を請け負うWeb制作会社「TAM」の加藤 洋氏が、Facebookページの開設からカスタマイズ、ファンを獲得する方法まで、Facebook活用の具体的なノウハウをシェアします。(編集部)
なぜいまFacebookなのか?
私が勤務するTAMでは、Facebookをはじめとするソーシャルメディアの活用を企業へ積極的に提案しています。お話する中で必ず出るのが、「Facebookが他のSNSと何が違うのか」「Facebookを導入することでどんなメリットがあるのか」といった素朴な疑問です。日本には会員数2000万人を擁するmixiのように安定したSNSがすでにありますし(ソーシャルアプリのプラットホームとしても存在感を増しています)、(Facebookの特徴の1つである)リアルタイム性でいえばすでに一般的になったTwitterの存在もあります。
そこで私は、Facebookがユーザーと企業双方にもたらす“早い”“安い”“便利”の3つの観点でメリットを説明しています。
ユーザー | 企業 | |
---|---|---|
早い |
・投稿が簡単。友人からの反応があるとリアルタイムでアラートがくる ・「いいね!」を押すだけで手軽にリアクションできる |
・企業Facebookページでのファンの反応をリアルタイムで得られる ・効果測定や広告出稿がすぐにできる |
安い | ・コミュニケーションコスト(お金と時間)を削減できる |
・無料で公式のFacebookページを開設できる ・Facebook自体に情報を拡散する仕組みがある ・細かくセグメントされた広告を配信できる ・自社サイトやサービスなどにAPIを介して接続でき、Facebookのソーシャルグラフを活用できる |
便利 |
・簡易的なRSSリーダーのような役割を果たす「ニュースフィード」で、ネットサーフィンの時間を短縮できる ・スマートフォンに対応しているので、場所を問わずアクセスできる |
・Facebookページを簡易的なCSMとして活用でき、コミュニケーションに必要な機能も備えている ・アプリを独自に開発でき、Facebookに組み込める ・ユーザーが実名で詳細なプロフィールを入力しているので、マーケティングデータとして信頼できる |
ほかにもたくさんあると思いますが、これら3つがバランスよく実現されているのがmixiやTwitterにはないFacebookの魅力であり、企業はFacebook上に「Facebookページ」を開設することで、これらのメリットを享受できます。
Facebookページとは
Facebookページ(旧Facebookファンページ)とは、Facebook上に企業や団体が作成できるビジネス用ページのことです。海外ではすでに多くの企業がFacebookページを開設し、商品やサービスの紹介、お知らせの配信、ファンとのコミュニケーションに活用しています。
Facebookページは、複数のタブから成り立っています。それぞれのタブには基本機能として「ウォール(掲示板)」「写真」「動画」「ディスカッション」「イベント」といった機能が用意されており、いずれも無料で利用できます。簡易的なCMSとしても利用できるので、大企業だけではなくWebプロモーションの予算が限られる中小企業でも活用できます。
実際どのようにFacebookページが活用されているのか、国内外の代表的な事例をタブの機能別に紹介しましょう。