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いよいよ始まる日本のIaaS-2010年版- 第5回

事例も増えてきたIDCフロンティアのIaaS

Hyper-VもVMwareもOK!NOAHはもっと進化する

2010年10月04日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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IDCフロンティアが「拡張可能なコンピューティングプラットフォーム」ということで、2009年の6月からスタートしたのが「NOAHプラットフォームサービス」だ。あれから1年経ち、ハイパーバイザや対応OSなども大きく変わり、顧客もネットベンチャーにシフトしてきた。IDCフロンティア ビジネス開発本部 サービス企画部 粟田和宏氏に聞いた。

Hyper-Vからスタートし、VMwareも使える

IDCフロンティア ビジネス開発本部 サービス企画部 粟田和宏氏

 IDCフロンティアが属するヤフーグループのITインフラ事業はかなり明確だ。メールやWebだけの低価格なサービスはヤフージャパンが、ビジネス向けのレンタルサーバーはファーストサーバが担当している。そして、複数サーバーを利用するデータセンター事業はIDCフロンティアの役割になる。

ヤフーグループのITインフラ事業とサービス概要

 IDCフロンティアは全国9箇所にデータセンターを所有しており、このデータセンターを元に展開しているIaaSがNOAHプラットフォームサービスである。「ヤフーグループ3社で営業に回ったりすることもありますが、NOAHプラットフォームサービスの話題はどこでも出ます」(粟田氏)とのことで、やはりクラウドの注目度は高い。

 NOAHプラットフォームサービスの内容は、他社と同じくサーバーやストレージを仮想化し、仮想マシンとしてユーザーに提供するもの。CPUやメモリの大きさの異なる20種類から仮想マシンを選択できるほか、ストレージの個数や容量を選べる。ネットワーク費用は基本料金に含んでいるため、「ネットワーク転送に関わる追加料金が発生しません。転送量による従量課金をとっている他のサービスと比べるとNOAHプラットフォームがお得になることも多い」(粟田氏)とのことだ。50Mbpsまでの帯域保証も無料で、物理ファイアウォールも標準搭載する。クラウドならではのスケールアップ・スケールアウト可能なほか、物理的な機器の冗長化やディスクのRAID対応を行なっているため、耐障害性にも優れる。一方で、ロードバランシングやユーザー拠点とのプライベート接続、2次保守や仮想マシンの再起動、ストレージのバックアップ領域確保などはオプションのメニューとなる。

ネットワーク費用を考えると、コスト面でAmazon EC2等を抜く部分が出てくる

 実はサービスは昨年の発表時から大きく変わっている。もともとNOAHプラットフォームサービスは、マイクロソフトのHyper-VとNECのサーバーを利用することで、他社に比べて低価格なIaaSを提供するというものであった。だが、それから1年が経過し、2010年6月には日本IBMのサーバーに搭載したVMwareの仮想マシンを提供するサービスを開始したのだ。つまり、現状NOAHプラットフォームサービスは、VMwareとHyper-Vという2つのハイパーバイザ、NECとIBMという2つのサーバーから選択可能になっている。「当初、市場に普及しているWindowsをターゲットに、親和性の高いHyper-Vを採用したのですが、当時は主な利用者であった情報システム担当者が、クラウドに対して大変慎重だったのです」(粟田氏)という事情があったようだ。とはいえ、Hyper-Vのユーザーもそれなりに付き、運用ノウハウも得られたことから、2つのハイパーバイザーを展開しておいてよかったという感想は持っているという。

 その他、NOAHプラットフォームサービスでは、日額99円プランやSLA 99.99%などを発表しているが、今後も「仮想マシンのクローニングやテンプレートを容易に扱うためのセルフポータルを作ったり、仮想サーバーと物理サーバーのハイブリッドを進めていこうと考えています」(粟田氏)などサービス拡充は続けるという。

ユーザーはソーシャルゲーム・SNS事業者

 ユーザーは他のIaaS事業者と同じく、ソーシャルゲームやSNSの事業者が多いという。「やはり、今年の頭にソーシャルゲームのオープン化戦略を打ち出したグリーやモバゲー(DeNA)の影響は大きいですね。弊社はモバゲーのインフラサポート事業者として登録されているほか、モバゲーのゲームをPCから遊べる「Yahoo!モバゲー」のインフラとしても利用されています」(粟田氏)といった強みを持つ。また、ソーシャルゲーム・SNS事業者用の標準パッケージも用意しており、トラフィック増大時に予備機を無償で提供している。

 こうした事業者が一番悩むのが、実はサイジングだという。何台のサーバーを、どれくらいのCPUで動かし、ストレージ容量をどの程度確保すればよいのか? クラウドの売りである自由度の高さが、ユーザーにとって大きな課題となるわけだ。その点、対面営業も数多いIDCフロンティアでは、こうしたサイジングに関するコンサルティングやサポートもユーザーには喜ばれているという。「たとえば育成系のゲームに比べて、バトル系のゲームはCPUの稼働率が高いとか、ソーシャルゲームならではのノウハウがあるんです」(粟田氏)。データセンターの事業をメインにしていた頃と異なり、こうした突っ込んだサーバー構成を顧客とディスカッションするようになったのは大きな違いだ。

 その他、スケールアウトできるメリットを利用した広告系の案件や、SaaSでの利用などがNOAHプラットフォームサービスのユーザー事例として挙げられるという。また、まだ数は少ないながらも、一般企業での情報システムの利用に関する問い合わせも増えているという。

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