3月11日に日本ヒューレット・パッカードから新たなシンクライアントソリューション「HP MultiSeat Computing」が発表された。ホストPCは「Windows MultiPoint Server 2010」を世界初搭載。USB経由で、複数のクライアント端末を接続できる。
本ソリューションの特徴は、OS側にシステム構築の専門知識を必要としない管理コンソール「MultiPoint マネージャー」が採用されている点。ホストPCのスペックは最大10ユーザーが同時利用しても快適に動作するレベルに最適化されており、10台のPCを別々に運用するより、初期導入コスト・運用コストを低減できる。
まずはハードウェア構成とOSについて整理したうえで、システム管理者・シンクライアント利用ユーザーのそれぞれから見た、使い勝手や使用用途、導入コストを見ていきたい。
設置の自由度が高い筺体とシンクライアント端末
ホストPCは「HP MultiSeat ms6000 Desktopシリーズ」で、接続可能なシンクライアントの数が異なる2モデルが用意されている。
最大5ユーザーの利用に適した「ms6000 Essential」は、Core 2 Duo E7500(2.93GHz)、2GBメモリー、320GB HDDを搭載する。上位モデルの最大10ユーザーの利用に適した「ms6000 Extended」ではCore 2 Quad Q9400(2.66GHz)、6GBメモリー、500GB HDDとなる。
筐体サイズは両モデルとも幅338×奥行き379×高さ100mm。
筐体は共通で、外部USB端子は前面・背面合わせて10ポートを備えている。USBケーブルの配線をしやすくするために、できればUSB端子はすべて背面に用意してほしいところかもしれない。
一方、シンクライアント端末のHP MultiSeat t100 Thin Clientは、USBバスパワー駆動に対応しており、外部電源が不要だ。また、本体サイズは、幅111×奥行き65×高さ28mmと手のひら程度の大きさで設置スペースに困ることはない。
液晶ディスプレーとシンクライアント端末はアナログRGB出力端子で接続する。また、ヘッドフォン端子とマイク端子を装備しているため、VoIPアプリケーションなどの利用も可能だ。
ホストPCとの接続に使うUSBケーブルは規格上5mのものが付属し、シンクライアント端末はUSBバスパワー駆動に対応している。長さが足りない場合は電源供給型のUSBハブで延長できる。

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