マイクロソフトの提唱するスレートPCとは、キーボードを持たず、タッチパネル液晶を備えた板状のPCである。以前から主に法人向けとして製品が発売されていたが、昨年アップルから登場したiPadがコンシューマーにもヒットしたことで、再び注目を集めている。
富士通が発表した「STYLISTIC Q550/C」は、OSとしてWindows 7を搭載したスレートPCであり、こちらも基本的に法人向けとして販売される製品だ。こうしたタブレット端末は、搭載OSによって、Windowsベースの製品と、AndroidやiOSといったWindows以外のOSを採用した製品に大別でき、それぞれ長所と短所がある。
STYLISTIC Q550/Cは前者に属する製品であり、Windowsのソフトウェア資産をそのまま利用できることが利点だ。その代わり、AndroidやiOSに比べるとWindows 7はリソースを多く消費するOSであり、駆動時間や動作速度という点では不利になる。
STYLISTIC Q550/Cは、ペンなしモデルとペンありモデルの2つのベースモデルが用意されており、タッチパネルの仕様や重量、バッテリー駆動時間などが異なるが、今回は、ペンありモデルを試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。
なお、今回試用した端末は発売前の試作機であり、製品版とは仕様や細部が異なる可能性がある。
次世代Atomを搭載
STYLISTIC Q550/Cは、10.1型液晶搭載のスレートPCで、本体のサイズは幅275×奥行き193×高さ16.2mm、ペンありモデルの重量は約720gである(標準バッテリー装着時、ペンなしモデルの重量は約690g)。9.7型液晶を搭載するiPadのサイズは幅242.8×奥行き189.7×高さ13.4mm、重量約730g(WiFi+3Gモデル)なので、サイズは一回り大きいが、重量はほぼ同じだ。
もちろん、液晶が大きいため、スマートフォンのようにポケットなどに入れることはできないが、手にすると意外に軽く気軽に携帯できる範囲である。
CPUとして、製品発表時点では未公開の次世代Atomが採用されていることも特徴だ。このCPUは、Atom Z500シリーズの後継となる製品で、GPUを内蔵していることが特徴だ。
試用機に搭載されているCPUの型番を調べたところ、Atom Z670と表示され、クロックは1.5GHzであった。
Atom Z670はシングルコアだが、Hyper-Threadingテクノロジーをサポートしており、OS上からはデュアルコアとして認識され、同時に2スレッドの実行が可能だ。
メモリーは2GB。オンボードで実装されており、増設はできない。ストレージとしてSSDを採用しており、容量は30GBと62GBから選べる。試用機のSSDは東芝製の62GBである。

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