日本HPは、法人向けPCとITソリューションに関する発表会を行った。同社は持続可能性に向けたグリーンIT、ビジネス成長につながるIT活用、優れたカスタマー・エクスペリエンスを重要課題としている。その目的として、エネルギー、教育、ヘルスケア分野でのIT活用による環境改善を目指す新PCとソリューションを発表した。
日本ヒューレット・パッカード(株)は9日、1台のホストPCを最大10人で利用可能なPCソリューション「HP Multiseat Computing」を発表した。タワー型の専用ホストPC「HP MultiSeat ms6000 Desktop」シリーズに小型のシンクライアント「HP MultiSeat t100 Thin Client」をUSBケーブルで接続するだけで手軽に構築できる。
仮に10人でマルチユーザー環境を構築するとしてms6000 Extendedを1台、HP MultiSeat t100 Thin Clientを10台購入したとして、合計23万9400円。1人あたり2万3940円と安価にPC環境を導入できるというのがウリだ。
日本HPの九嶋俊一氏によると、教育現場におけるPCの占有率は、アメリカでは3人に1台、シンガポールでは2人に1台。しかし、日本は7.2人にPCが1台という状況だという。そこで、HP Multiseat Computingを導入することで、「同じ予算でも3.6人に1台と限りなくアメリカの水準に近付けられる」とした。
ホストPCのHP MultiSeat ms6000 Desktopシリーズには2種類ある。最大5ユーザーが利用できるms6000 EssentialモデルではCPUにCore 2 Duo E7500(2.93GHz)、メモリーはDDR3を2GB、そして320GBのHDDを搭載する。一方、最大10ユーザーが利用できるms6000 Extendedモデルでは、CPUにCore 2 Quad Q9400(2.66GHz)、メモリーはDDR3を6GB、500GBのHDDを搭載する。サイズは、いずれも幅338×奥行き379×高さ100mm。
シンクライアントとして提供されるHP MultiSeat t100 Thin Clientは、外部電源不要の端末。またVESA規格に準拠したマウントブラケットが付属するので、対応する液晶ディスプレーの背面に設置可能。スペックはPS/2端子を2つ。アナログRGB出力端子、ヘッドフォン端子、マイクイン端子を各ひとつずつ搭載している。サイズは、幅111×奥行き65×高さ28mm。
ホストPCには、シンクライアントホストマシン用のOSである「Windows MultiPoint Server 2010」を採用。このOSは、「Windows Server 2008 R2」をベースに改良し、クライアントに対してWindows 7と同様のGUIとアプリケーション互換を実現している。また、初心者にも分かりやすいクライアントPCの管理機能である「マルチポイントサーバーマネージャー」を備えている。
ms6000 Essentialモデルの価格は9万2400円。ms6000 Extendedモデルは11万3400円。HP MultiSeat t100 Thin Clientの価格は1万2600円。
なお、ホストPCとシンクライアントともにボリュームライセンスを購入するユーザー向けに「Microsoft Client Access License」が付属しないモデルも用意している。
これらの製品は、日本HPの直販サイトHP Directplusにて11日から発売される。
魅力的な製品も数多く展示
また、日本での発売が未定ながら、多数の製品も展示。特に、42インチでフルHD、マルチタッチに対応した世界初の液晶ディスプレー「HP LD4200tm 42-inch Widescreen LCD Interactive Digital Signage Display」など、マルチタッチ対応の液晶を搭載した製品が目立っていた。
「HP LD4200tm 42-inch Widescreen LCD Interactive Digital Signage Display」。42インチでマルチタッチ対応は世界初;「HP EliteBook 2740p Notebook PC」はマルチタッチ液晶を搭載。写真左は「ドッキングステーション」
