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週刊 PC&周辺機器レビュー 第30回

8時間駆動が7万円 HPのCULVノート dm1の実力は?

2009年11月06日 15時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 低価格のCore 2 Duo/Celeronを使い、ネットブックよりやや高い程度の価格で、性能と実用性に優れたモバイルノート、いわゆる「CULVノート」が注目を集めている。Windows 7に合わせて各社が新製品を投入し、さまざまな製品が店頭を賑わせている。

 今回はそうしたCULVノートの中から、日本ヒューレット・パッカードの「HP Pavilion Notebook PC dm1」(以下dm1)を取り上げてみたい。はたしてどの程度の実用性があるだろうか。

HP Pavilion Notebook PC dm1

HP Pavilion Notebook PC dm1

Celeron+Intel GS45+11.6型ワイド
スペックはオーソドックスなCULV

 スペック面で見ると、dm1はオーソドックスな製品だ。CPUに超低電圧版のCeleron SU2300(1.20GHz)を搭載。チップセットもIntel GS45 Expressを採用する。Atom N280(1.66GHz)+Intel 945GS Expressが一般的なネットブックより、普通のパソコンに近い。ディスプレーは11.6型ワイド/1366×768ドットと、10型/1024×600ドットが一般的なネットブックよりも二回り広い。

 CPU性能面では、AtomとCoreアーキテクチャーCPUで大きな差があることはご承知のとおり。だがそれだけではなく、CULVノートにはAtomネットブックにはない利点がある。それは、チップセット内蔵グラフィックス機能(内蔵GPU)の世代が新しいことだ。

 ネットブックのIntel 945GSE(GMA 950)と比べると、GS45の内蔵GPU(GMA 4500MHD)は2世代新しい。グラフィックス性能自体も高いが、HDMIやDVIといったデジタル映像出力を標準でサポートしているので、大型テレビや単体の液晶ディスプレーとのデジタル接続が(比較的)低コストで実現できる。dm1も本体左側面にHDMI出力を装備している。

本体左側面

本体左側面。電源コネクター、排気口を挟んでUSB、HDMI出力

本体右側面

本体右側面。メモリーカードスロット、ヘッドホン兼マイク端子、USB×2、アナログRGB出力、LAN端子。USBは計3つと多め

本体前面にはALTEC LANSINGのステレオスピーカーを内蔵

本体前面にはALTEC LANSINGのステレオスピーカーを内蔵

 さらに、Windows 7搭載ネットブックはOSにWindows 7 Starterを採用しているが、このネットブック用OSでは、複数のディスプレーを接続してデスクトップ上の異なる部分をそれぞれ表示させるマルチディスプレー接続ができない(同画面を複数に表示させることは可能)。ネットブックの「画面が狭い」という弱点を補えなくなるわけだ。しかし、CULVノートであるdm1はWindows 7 Home Premiumを採用しているので、こうした問題は起こらない(ネットブックにHome Premiumも入れてもいいのだが、当然OS代のコストが上乗せされる)。

 また、ささやかな違いかもしれないが、GS45の内蔵GPUは、Windows 7のディスプレードライバーモデル「WDDM 1.1」に対応する。一方で945GSEの内蔵GPUは、Vista世代のWDDM 1.0のままだ。どちらでもWindows 7は動くし、Windows Aeroも使えるのだが、WDDM 1.1の方がメモリー消費量が少なく、理論上はメモリーアクセス頻度も低くなるので、パソコン全体のパフォーマンス向上に多少は貢献している(関連記事)。

 しかもインテルは、945GSEに対してはWDDM 1.1対応ドライバーを供給しないと表明している(関連記事)。メモリー搭載量が少ないネットブックこそ、WDDM 1.1の恩恵が大きいだけに残念な話だが、CULVノートのdm1なら気にせずにすむ。

 CPU性能以外にも、CULVノートとネットブックの間には大きな差がある。ようは、安価でありながらネットブックの持つ制約とは無縁なのが、CULVノートの利点というわけだ。

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