国内の感染拡大は沈静化に向かいつつあると言われるが、世界的にはまだまだ猛威を振るっている新型インフルエンザ。日本ではこれから梅雨を迎えるため、安心している向きもいるかもしれないが、今年の秋から冬にかけては再び感染爆発が懸念される。
そこで、ASCII.jpでは5月18日~22日の5日間にIT関連企業30社に緊急アンケートを実施。各社の新型インフルエンザ対策の現状を尋ねた。結果、9社から回答を得られた。
このアンケート結果を踏まえて、自分の会社や部署でどんな対策ができるか、改めて考える材料にしてもらえれば幸いだ。
そのとき、わが社は
新型インフルにどう立ち向かう?
今回の設問は以下の通り。回答した9社は、当然ながら、何らかの新型インフルエンザ対策を行なっていた。ただし、社名は非公開とする企業もあった。以下、順に内容を見ていこう。
各社に送った設問(抜粋)
- Q1●新型インフルエンザの大規模な流行が心配されていますが、御社では社内向けに何か具体的な対策をされていますか?
- はい→Q2へ/いいえ→Q3へ
- Q2●対策はどのようなものですか? 当てはまるものについて、なるべく具体的にお書きください。
- 自宅にいたままで会議に参加できるリモート会議システム・在宅業務システム[ ]
不特定多数が乗り合う交通機関を使わない代替の通勤手段(時差通勤等も含む)[ ]
抗ウイルス用マスクもしくは通常マスクの備蓄・配布[ ]
新型インフルエンザの流行を想定したマニュアル・ガイドラインの策定[ ]
従業員への教育・啓発活動[ ]
そのほか[ ] - Q2-b●新型インフルエンザが流行した場合、出社禁止等の対策をどの程度の期間実施しますか?(想定でお選びください)
- 3日間程度
1週間程度
2週間程度
1ヵ月程度
決めていない(状況に応じて期間を変えるつもり) - Q2-c●その対策は、いつ頃から準備されていましたか?
- 2006年以前から
2007年から
2008年から
今年頭から
先月・今月から
分からない
シンクライアントで在宅勤務、赤外線で発熱検知
――NECの場合
NECは、自社開発のシンクライアントシステム「esRAS」を使った在宅勤務システムを採用。万一の場合には、出社しなくても自宅から会議や業務の継続ができるようになっている。さらに赤外線サーモグラフィーを活用して、発熱した従業員をいち早く検知する仕組みを導入している。
同社は2007年から対策を開始しており、2年度をかけて抗ウイルスマスクおよび通常のマスクを備蓄(従業員のほぼ100%)。特に営業マンやSEが客先での応対が多いことから、重点的に配布しているという。
このほか、2008年11月から個人・家庭向けに季節型のインフルエンザ対策を社内サイト(イントラネット)に掲載、周知徹底して、社員教育・啓発活動に努めている。
そのほか、NECからの主な回答は以下の通り。
- 不特定多数が乗り合う交通機関を使わない代替の通勤手段(時差通勤等も含む)は?
- [現時点では特に予定なし]
- 新型インフルエンザが流行した場合、出社禁止等の対策をどの程度の期間実施しますか?
- 1週間程度(ただし、発症者、濃厚感染者により期間に違いあり)
同様に在宅勤務を可能にしていたのは、9社中7社(一部社員向けを含む)。IT企業だけあってITを活用した対策には一日の長があるということだろう。
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