富士写真フイルムの「FinePix 6800Z」は、縦型のコンパクトボディに高機能を凝縮したデジタルカメラだ。ハニカム配列の330万画素CCDを搭載し、同社独自の画素数向上技術により603万画素相当の高解像度での撮影が行える。
独特のフォルムに高機能を凝縮
FinePix 6800Zは、「FinePix 700」以来の独特な縦型ボディを採用するデジタルカメラの最新機種だ。ハニカム配列の330万画素CCDと画像補間技術による603万画素相当の高解像度撮影機能を備え、コンパクトデジタルカメラとしては最高クラスのモデルとなっている。出力解像度は、「6M」モードが2832×2128ドット、「3M」モードが2048×1536ドット、「1M」モードが1280×960ドット、VGAモードが640×480ドットとなっている。画像補間技術は、高解像度の撮影だけではなく、デジタルズーム時においても有効で、たとえば3Mモードで1.4倍、1Mモードで2.2倍、VGAモードでは4.4倍の拡大が行える。
特徴的なのは標準で付属する「Picture Cladle」と呼ばれるクレードルで、PCとのUSB接続と、ACアダプタを接続しての充電を行える。PCに付属ソフトをインストールしていれば、FinePix 6800Zをクレードルに置くだけで画像管理ソフトが起動し、カメラ内の画像を参照してインデックス表示を行うほか、WebカメラのようにTV電話などでも利用できる。
クレードルの底面には折りたたまれた足があり、開くとクレードルが若干上向きとなる。机の上に置いたとき、仰角を付けるとちょうど顔のあたりにカメラが向き、Webカメラとして使うときに便利だ。 |
クレードルを使ったデジタルカメラそのものはそれほど目新しいものではない(古くは松下電器の「COOSHOT」やキヤノンの「PowerShot 600」がある)。最近のデジタルカメラはリムーバブルメディアやUSBコネクタ(小型のプラグ)、多様な電池への対応などの理由もあってか、クレードルを採用する製品は少なくなっているものの、FinePix 6800Zでの採用はかえって新鮮に写る。
自宅に帰ったときなどにクレードルに置く習慣を付けれておけば、PCからデータを吸い上げ、バッテリは翌日出かけるときまでには充電されているといった具合に、実際に使ってみると想像以上に便利だ。十分な容量のスマートメディアを使えば、メディアやバッテリを取り出す機会はほとんどないだろう。
なお、従来機「FinePix 4700Z」では単3型ニッケル水素充電池×2本と充電器が付属し、緊急時はアルカリ乾電池を使用することも可能だったが、6800Zでは専用のリチウムイオンバッテリを使用する。バッテリはメーカー公称値で約120枚(液晶モニタON)の撮影が可能だが、実際に半日ほど持ち歩いて80枚程度撮影した場合でも電池切れを起こすことはなかった。
カマボコ型の専用リチウムイオン充電池は本体底部から装着する。底面にはUSBの小型コネクタに似たソケットがあり、PCとの接続と充電はこの端子で行われる。 |
6800Z本体にUSBケーブル用の端子やACアダプタ用端子も備わっており、クレードルを経由せずともACアダプタとUSBケーブルを接続できる。さらにACアダプタはプラグがたためる小型のものが採用されているため、旅行の際などに便利だろう。