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FinePix 6800Z

FinePix 6800Z

2001年04月05日 23時22分更新

文● 行正

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ポルシェデザインのボディとユーザーインターフェイス

縦型ボディが特徴のFinePix 6800Z。沈胴式レンズは電源OFF時には本体内に完全に収納され、同時にレンズバリアでカバーされるのでポケットにも気軽に入れられる。

 FinePix 6800Zを強く印象つけるのは、ポルシェ・デザインによる洗練されたデザインだろう。従来のFinePix 4700Zはシンプルな直線と曲線で構成されたボディラインを持つが、フロントのグリップ部のアールや、平たい上面がモードダイヤルに向かって曲線を描いて沈み込むラインにやや違和感を覚えるものだった。それに対し、前後ともにエッジを設けた6800Zのシルエットはひとまわり小さく見え、ファインダやLEDインジケータごとにアールで処理されたフロントフェイスのデザインも特徴的だ。



十字ボタン中央の液晶表示によるナビゲーションなど、基本的なレイアウトは従来機を継承するが、ボタンの配置やデザインは洗練された。十字ボタンの中央に親指を置けるので操作はやりやすいが、操作時には指に隠れて液晶内容は見えていないという矛盾もある。

 基本操作に関しては、4700Zと大きく変わっていない。操作性で変更がなされている点としては、4700Zでは上面にシャッターボタン&モードダイヤルがあったのに対し、6800Zではシャッターボタンが独立し、モードダイヤルは後ろに向いた円筒になった点がある。4700Zでも6800Zでも右手人差し指もしくは親指で操作できる点は同じだ(指の長さなど個人差もあるので、人によっては使いやすくなった/使いにくくなったという意見もあるかもしれない)。
 また、背面のスイッチ類に関してもデザイン的にすっきりと処理されたものの、大きな変更はなく、「シフト」キーがなくなっている程度だ。シフトキーを押しながらの操作に関してはメニューシステムの変更で対応されているおり、とくに使いにくくなってはいない。シフトを廃したことは、片手(右手)だけで全操作を行えるという操作のシンプル化を目指したと思われる。
 ただし、4700Zではモードダイヤルに「人物(ポートレート)」「風景」「夜景」といった撮影モードがあったのに対し、6800Zでは「SP(シーンポジション)」というモードのみとなった。SPモードにした後は液晶モニタ(ビューモニタおよび丸型液晶)の表示とカーソルキーで各シーンモードを選択できる。



背面液晶モニタは明るく、屋外でも見やすい。丸型液晶の下に並ぶ孔はスピーカ部。

 撮影時の操作において、とくに大きく変わったのが光学式ファインダの位置だ。4700Zでは上端のほぼ本体中央に位置していたのに対し、6800Zでは左側の隅の部分に変更されている。これにより、多くのカメラが抱える"ファインダを覗いたときに鼻の頭がカメラに当たる"という問題を回避しているわけだ。もっとも、これは右眼が利目の人の場合で、左眼を使う人は逆に右手親指が鼻の頭と干渉してファインダと眼の間の距離が開きすぎてしまい、非常に使いにくい(前述した丸型液晶部に鼻の頭を押し当てるような位置関係となる)。
 また、これは慣れの問題もあるのかも知れないが、同社独特の縦型ボディはスマートに見えるもののホールド性はあまり良好とは思えなかった。前面に指をかけるところはあるが、滑りやすい本体前面や後部のくぼみは力を入れにくく、(ラバーを貼るなどという手段はポルシェデザインの美学に反したのかも知れない)、片手だけで十分なホールドができるとは言いがたい。外観写真だけでは気が付きにくいが、本体背面の丸型液晶部が丸く窪んでおり、右手親指を押し当てるようにして持つことができるようになっているが、その効果は多少グリップしやすくなる程度だ。



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