富士フイルムから210万画素(出力400万画素)の“スーパーCCDハニカムIII”を搭載した、「FinePix F401」が発売された。ボディサイズは85×69.4×27.5mm(W×H×D)、重量は約215g(撮影時)と、非常にコンパクトでスクエアなボディはFinePixの系統を感じさせる。
起動に4秒、撮影間のタイムラグは約3秒
写真1 210万画素スーパーCCDハニカムIIIを搭載した「FinePix F401」。グリップもかねているフロントフェイス部分に動作を知らせるブルーイルミネーションが付いていて、ちょっとしたアクセントになっている。 |
沈胴式でボディからせり出してくるレンズは、光学3倍ズーム(35mmカメラ換算38mm~114mm)を備え、コンパクトなボディでありながらスーパーEBCフジノンレンズ「スプレンディッシュ」を搭載(写真2)。この名前のついているレンズは、各収差を抑えるため非球面レンズなどを採用した、このクラスのカメラにしては贅沢なレンズである。
写真2 特に刻印はないが、FinePixS602などにも搭載されていた、EBCフジノンレンズ「スプレンディッシュ」をF401用に新設計したものが採用されている。各収差も少なく400万画素クラスの画像出力にも十分な性能。 |
写真3 電源を入れていない状態ではこの状態。電源スイッチを兼ねているとはわからないほど、フロントフェイス部分のデザイン的一体感が強い。スライドして電源を入れると、下からブルーの部分が見えるようになる。 | 写真4 操作系の配置は他のFinePixシリーズにほぼ準拠したものとなっていて、以前からのユーザーは当然、初心者でも一目でわかりやすいものとなっている。 |
撮影時の動作レスポンスは軽快。撮影後、次のシャッターを切れる状態になるまでのタイムラグは約3秒。400万画素相当のデータを処理していると思うと、これで充分なスピードだろう。撮影した画像は、以前のFinePix独特の暖色系の色味は残っているものの、かなり自然な色調で、とても好印象を受けた。解像感は充分あり、CCDハニカムの補完した画像につきものの、ノイズのような画像の荒れは画面上でもほぼ見えないくらいに解消されていた(撮影サンプル)。
写真5 F401では別売になっているピクチャークレードル(5000円)。写真のようにボディ横にある接点がはまるように設置する。充電とPCへのデータ交換が同時に行える。 |
ちょっと気になるのは、パワーセーブに入った後の復帰が、一度、フロントフェイスを閉じてから、もう一度スライドしなおさなければいけない点だ。できることなら、シャッターを押したり、撮影モードなどの操作で復帰できるようになっていたほうが、親切というものだろう。
小さなボディで400万画素相当の画像も撮れるFinePix F401のライバルは、オリンパスの「CAMEDIA C-40ZOOM」あたりだろうか。価格的にはF401のほうがリーズナブルなぶん、初心者にも勧めやすい。
撮影サンプル 口径の小さなレンズにありがちな周辺光量不足による画面スミの落ち込みもなく、全体にクリアな印象を受ける。色調も大変自然な色合いで、以前のFinePixに見られた色の偏りが少ない。万人に受ける色味になっている(掲載用に640×480ドットに縮小したもの)。 |
FinePix F401の主なスペック | |
製品名 | FinePix F401 |
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撮像素子 | 1/2.7インチスーパーCCDハニカムIII、出力400万画素(有効210万画素) |
レンズ | スーパーEBCフジノン 光学式3倍ズーム、f=5.7~17.1mm(35mmフィルムカメラ換算:f=38~114mm相当)、F2.8~4.8/7.0~11.6(自動切換え) |
露出制御 | オート/マニュアル |
連写 | 約0.3秒間隔(最高4コマ)、サイクル連写あり(レリーズを離した瞬間からさかのぼって0.3秒間隔で4コマ) |
記録媒体 | スマートメディア(16MBメディア付属) |
記録画素数 | 2304×1728/1600×1200/1280×960/640×480ドット |
液晶モニタ | 1.5インチ低温ポリシリコンTFT、約11.4万画素 |
動画記録 | 320×240(最長120秒、10フレーム/秒)/160×120ドット(最長480秒、10フレーム/秒) |
インターフェイス | USB、DC入力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(NP-60)、液晶モニタON時:約200枚、液晶モニタOFF時:約450枚 |
本体サイズ | 85(W)×27.5(D)×69.4(H)mm |
重量 | 約185g(本体のみ)/約215g(装備重量) |
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