軽快な操作性と高い画質
実際に使ってみると、まずはきびきびとした軽快な動作が気持ちよく感じる。電源ONから撮影可能になるまでは約2秒。これは沈胴タイプのカメラとしては非常に高速だ。さらに解像度にかかわらずすべてのモードで0.2秒間隔で最大5コマまでの連写が行える(仕様には明記されていないが、約12MBのキャッシュメモリを搭載していることになる)。合焦速度も良好で、シャッターのタイムラグもそれほど気にならない。メモリへの書き込みはさすがに時間がかかるものの、最大解像度でも1枚あたり1秒程度で済むというのもかなり使い勝手はよい。
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屋外での撮影結果。F2.8、1/480。画像は2832×2128ドットで撮影したが、掲載用に縮小している(クリックすると640×481ドットの画像が表示されます)。 |
画質に関しては、リアルな600万画素と直接比べたわけではないが、300万画素クラスのデジタルカメラ製品と比べても明らかに細かな輪郭まで撮影できる高い解像力を持っている。一般に、ハニカム配列のCCDは斜め方向の解像力が弱いと言われており、たしかに木の枝部のアップを見ると水平/垂直に比べて斜め枝のジャギーは少々目立つものの、"あきらかに解像感に乏しい"というほどのことはないだろう。ただし、周辺部の歪みがやや目立つ。色彩感はかなり高く、彩度の高いくっきりとした画像となっている。同社のデジタルカメラ製品は他社製品に比べて彩度が高いと評判だが、確かに記憶色をうまく再現しており、木々の緑や青空は非常に鮮やかに撮れている。
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上の画像の中央部のアップ(クリックすると640×480ドットの出力画像が表示されます)。 |
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屋内の撮影結果。F2.8、1/6、ホワイトバランスはオートに設定。。蛍光灯下で撮影したものだが色再現は良好だ。 画像は2832×2128ドットで撮影したが、掲載用に縮小している(クリックすると640×481ドットの画像が表示されます)。 |
6800Zは、本体サイズからは破格ともいえる高解像度と機能を備え、ポケットに入るサイズのデジタルカメラとしては非常に高い撮影能力を持つ製品だ。コンパクトな本体ゆえに、操作性(とくにカメラのホールド性)やレンズ自体の能力、今回サンプルを掲載しなかったがストロボの投射距離(ワイド側で3.5m、テレ側で約2m)などに不満も残るものの、普段から持ち歩けるカメラとしては最高クラスの1台はないだろうか。
製品名 |
FinePix 6800Z |
撮像素子 |
1/1.7インチハニカムCCD 330万画素(有効約301.5万画素) |
レンズ |
スーパーEBCフジノン光学3倍ズーム f=8.3~24.9mm(35mmカメラ換算36~108mm) |
絞り |
F2.8~4.5/F7.0~F10.8(自動切り換え) |
記録メディア |
スマートメディア×1 |
記録画像 |
2832×2128ドット/2048×1536ドット/1280×960ドット/640×480ドット |
電源 |
専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ |
80(W)×36.3(D)×97.5(H)mm |
重量 |
約300g(電池、スマートメディア含む) |