Wnn6やThinkFree Officeがバンドルされコストパフォーマンスが高いパッケージ
30日発売のLASER5 Linux 6.2試用レポート
2000年06月27日 03時21分更新
レーザーファイブ(株)は6月30日、デスクトップ向けLASER5 Linuxの最新版“LASER5 Linux 6.2”を発売する。今年(2000年)1月に発売された“LASER5 Linux 6.0 Rel.2”に続くもので、昨年9月に発売された“LASER5 Linux 6.0”以来初めて“6.2”というバージョンがつけられた。これが意味するのは、現在メジャーなRed Hat Linux 6.2英語版との互換性が高いという点で、レーザーファイブは「米国Red Hat Linux 6.2と運用互換」としている。
日刊アスキーでは、LASER5 Linux 6.2の製品版に近いバージョンを試用した。新機能を中心に、LASER5 Linux 6.2の特徴をリポートしよう。
製品構成
デフォルトではGNOMEがインストールされる。インストーラの選択枝からKDEを選ぶことも可能だ |
- Wnn6 (日本語かな漢字変換システム)
- eWnn (英日辞書ソフトウェア)
- 翻訳魂 (日英/英日の翻訳ソフト)
- ThinkFree Office 評価版
- DynaFont TrueTypeフォント (5書体)
このほかにSSH (Secure Shell)やサウンドドライバのOSS (Open Sound System)、Shade (3DCGソフトウェア)、VMwareなど多数のソフトウェアの試用版がバンドルされる。
“Devel”には、上記のほかにJDK、ATOK 12SE/R2、System Commander Lite、RTLinux (リアルタイムLinux)などが付属する。
LASER5 Linux 6.2ではインストーラがGUIになり、rpmパッケージもRed Hat Linux 6.2に相当するバージョンのものが含まれるようになった。Linuxカーネルのバージョンは2.2.14、glibcはバージョン2.1.3で、そのほかは、XFree86 3.3.6、GNOME 1.0.56、KDE 1.2、Netscape Communicator 4.73が採用されている。さらに、最新版のソフトウェアを収録した“Contrib CD”というCD-ROMがパッケージに付属し、これにはXFree86 4.0やGNOME 1.2、KDE 1.90などほぼ最新のパッケージが収録されている。これにより、やむをえず最新のソフトウェアを使わなければいけない場合は、このCD-ROMから比較的容易にrpmパッケージをインストールすることが可能だ。
ThinkFree Office
豊富なバンドルソフトの中でも一番の注目なのが、Microsoft Office互換を名乗る「ThinkFree Office」だろう。これはJavaで書かれたオフィススイートで、ワードプロセッサ「ThinkFree Write」、表計算ソフト「ThinkFree Calc」、プレゼンテーションソフト「ThinkFree Show」を備えている。米ThinkFree.comが開発し、日本では(株)インディゾーンが業務提携を結び国内展開を行なっている。
ThinkFree WriteでATOKによる日本語入力を行なっている |
Javaということでまず気になるのが実行速度だが、Celeron-433MHzのテストマシンではかなりもたついた感じで動作する。
実行すると、まず“ThinkFree Folders”というランチャ兼ファイルマネージャが起動する |
過去のLinuxディストリビューションでは、GNOMEやKDEといったデスクトップ環境が不安定ということもあったが、今回の6.2ではかなり安定しており、安心して使用することができた。TrueTypeフォントをはじめATOKやWnn6、翻訳魂など豊富な商用ソフトがバンドルされるのも大きな魅力だろう。90日間3件まで、電話、FAX、メールによる、X Window Systemが起動するまでのサポート権が付属し、初めてインストールするユーザーにとっても良い選択肢となるはずだ。