日本人のわかりづらいところ
──仕事だけに限らず、中国人と日本人で感覚が違うなと感じるところはありますか?
ローラ・チャン:日本人の友達は、ちょっとぶつかっても「ごめんね」って丁寧に謝る。知らない人だったら、それは礼儀として当たり前だけど……。中国人の友達は、ぶつかったとき「何だよ、おまえ(笑)」って感じ。でも、この間、日本人の友達とぶつかったとき、「ごめんね。ごめんね。ごめんね」て、すごく謝られた。それで「えー!! 大丈夫だけど、そんなに謝らなくても」ってビックリした。
日本人は「ごめんなさい」って何回も言う。例えば、約束したのに仕事で守れなくて「ごめんなさい」って謝る。それで、会ったときにも「この間ごめんね」って言うよね。感謝するとき同じで「この間はありがとうございました」って言うしね。
──中国人から見て、日本人の感情で理解しにくいところはありますか?
ローラ・チャン:日本人は感情がハッキリしていない感じ。日本人の友達はあんまり怒らない。それが逆に、ちょっと怖いと思うときもあるよ。相手が「大丈夫だよ」と言っても、本当はどうなのか分かんない。だって、日本人は周りの人の気持ちをすごく考えて、「怒ると悪いかな」とか思うみたいだからね。でも、本当に怒ったのなら、怒ってほしいの。「大丈夫」と言われるのだと、何を考えているのか分からなくて、うまく付き合っていくのが難しいからね。
言葉の使い方でもそう感じるよね。例えば、「食べますか?」と聞かれて、「大丈夫、大丈夫」って答える。結局、食べるのか食べないのか分からない。「食べる」「食べない」ってハッキリ言ったほうがいいよね。でも、日本人はハッキリ言うことを、少しキツイ返しだと思っていて、だから「大丈夫」と言う。私も日本にきて、そういう言葉使いになったけど。ほかにも、「一応」と「とりあえず」とか、あいまいな表現が多いと思う。中国にもそういう言葉はあるけど、普段はそんなに使わないよね。
好きな言葉は“爛漫天真”!
──パソコンの利用の仕方についても教えてください。ローラ・チャンさんは、よくインターネットを使いますか?
ローラ・チャン:使うよ。でも、中学生のころよりもしない。昔は暇なときにはチャットをしたり、音楽をダウンロードしたり、よくしていた。最近はブログを楽しんでいたり、デジタルカメラで撮影した写真を見たり、お母さんに送ったりしているね。
──中国でのインターネットの利用で、検閲などで不便に感じたことはありますか?
ローラ・チャン:全然ないよ。逆に、日本のほうが会員登録や暗証番号がいるサイトが多くて不便に感じる。中国のほうが自由にできるけど、中国ではセキュリティーソフトを入れないで使っていることも多くて、みんな、すごくメールとかに注意している。1年前「パンダ」っていうウイルスが流行って……。
──かわいい名前ですね。
ローラ・チャン:かわいくないよ(笑)。私のパソコンにも、そのウイルスが入ったんだもん。パソコンを開いたときに、たくさんパンダが画面に出てきて、「なんだこれ!」って。中国の番組でもニュースになっていたよ。
──最後に、日本人の読者に素敵な中国語を教えてください。
ローラ・チャン:「爛漫天真(lang man tian zhen)」。これを日本語の先生にも「素敵な中国語があるんだよ」って教えてあげたんだけど、「違う。天真爛漫だ」って言われた(笑)。中国では「爛漫天真」なのに、日本には「天真爛漫」って言葉があるみたい。あと「失敗是成功之母(shi bai shi cheng gong zhi mu)」。これも日本のことわざ(失敗は成功の母)としてあるみたいだけど、いい言葉だよね。
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