スシ型やエビフライ型、ホタルイカ型と、奇妙な形のUSBメモリーを出し続けるソリッドアライアンス。なぜ、このような製品を発表し続けるのか。その疑問に対して、代表の河原氏は「激動の世の中だからこそ、本質的かつユニークな目標を持ち、それをビジネスにしたい」と語っている。河原氏が考える(株)ソリッドアライアンスのビジネス戦略とはどういったものなのか。また、実際にどのように奇妙なUSBメモリーが生まれているのだろうか。
変り種USBメモリー誕生秘話
ソリッドアライアンスと言えば、スシやシュウマイ、エビフライ、スパゲッティといった食品サンプルを模したUSBメモリー「Sushi Disk」と「Food Disk」が有名だ。
このユニークなUSBメモリーのシリーズは、どのような経緯で始まったのだろうか。
「変り種USBメモリー作りは、アヒル型のUSBメモリー『i-Duck』からです。既存商品のアヒルのフィギュアに、USBメモリーを組み合わせた初のオリジナル商品で、発売してみると一日中ネットでオーダーがかかる。消費者の反応がダイレクトに伝わってくるのが、とても新鮮でしたね。当時のパッケージは、ビニール袋に入れただけだったので、クリスタルボックスを仕入れに、合羽橋商店街に行きました」
商店街を歩いていると、同行していた広報担当が、商品サンプルのお店『サトウサンプル』前で『コレですよ!』っと叫んだという。
「正直その時は、何が“コレ!”なのかまったく分かりませんでしたね(笑)。でも、コストもかからなそうでもあったのでサトウサンプルさんに交渉に行くと、先方も新たな市場の開拓を考えていたようで、すぐに商品化することが決まったのです」
その後、このサンプルUSBメモリーは瞬く間に話題になった。現在はスシ以外にもエビフライやナポリタンなどシリーズを実にさまざまに展開するほどになっている。
下写真は「ほたるいかUSBメモリー」だが、ルアーの造形師に依頼し、さらに生産している中国の工場に指導にも行ってもらったというから、大変なこだわりようだ。パッケージは、スーパーで並んでいる姿を模し、同梱する袋は、漁で使う投網、取り扱い説明書はバランになっている。
こうして始まったソリッドアライアンスの“変り種USBメモリー”開発だが、“売れる商品”にするためにどのような考えを持っているのだろうか。
「商品単体の機能や性能は当たり前ですが、これからの時代、それだけでは売れないと考えています。機能、性能プラス買った時にどれだけのウンチクを持てるかが大切だと思います。ウンチクを持てる商品というのは、買ったことで友だちに“語る時間”を持てることなんです。その瞬間って楽しいですよね。その付加価値が得られる商品というのが、売れていくと思います。変り種商品というのはそれが顕著です。そこで、弊社では造形やパッケージにこだわり、商品にウンチクを持たせることを大切にしています」
(次ページ、「飽きられるのでは? いやいや商品のピークは延ばせる!」へ続く)
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