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業界研究レポート 第6回

ケータイ業界・後編

ケータイ市場は飽和状態ではありません

2008年05月30日 04時00分更新

文● 斉藤邦雄(大空出版)

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法林岳之氏が語る、キャリアと端末メーカーが生き残る秘訣

 アンドロイドとLiMoどちらのOSも未だ全容が見えていない状況ではあるが、キャリアや端末メーカーの今後にとって大きなカギとなることは間違いない。最も大切なのは日本市場に合わせた作り込みだと法林岳之氏は言う。

法林岳之氏

法林岳之氏
Web媒体や雑誌などを中心に、携帯電話やパソコンなどのデジタル関連製品のレビュー、ビギナー向けの解説記事執筆などで活躍

「ケータイにとって、日本市場にマッチしたアレンジを行なうことは、ソフトやハードを開発することより重要な問題だと思います。マーケットやキャリアの特性を的確に捉え、巧みにアレンジできなければ生き残ることは難しいでしょう。例えば、Windows Mobileの端末は多機能であるものの、アレンジがほとんどされておらず、電話の発着信の操作が分かりにくかったり、各事業者のメールサービスが使いにくい面がある。これでは日本市場に受け入れられるのは難しいですね」

 一方、NTTドコモのiアプリを見てみると、プラットフォームは基は同じであるものの、N(NEC製)、P(パナソニック製)、F(富士通製)それぞれでコードが違い、操作法も異なっている。これはプラットフォームの仕様が端末メーカー任せであることが原因で、同一キャリアにおける端末の選択幅を狭める結果につながっている。

 今後、キャリアはより的確なマーケティングと同時に、端末メーカーのコントロール能力が求められることだろう。ケータイ業界における生存競争は、キャリアだけでなく端末メーカーにとっても苛烈だ。

(次ページに続く)

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