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業界研究レポート 第6回

ケータイ業界・後編

ケータイ市場は飽和状態ではありません

2008年05月30日 04時00分更新

文● 斉藤邦雄(大空出版)

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まだまだ市場拡大の可能性

 端末メーカーのみならず、現在のケータイ業界では「市場拡大を見込みにくい」という言葉が繰り返されている。電気通信事業者協会によると現在のケータイ・PHSの普及率は84.2%(4月末)となっており、確かに2000年代前半のような需要は見込めないように思える。だが、これはあくまでもケータイを「一般的な通話端末」として捉えた場合の話だ。

 ケータイをモジュール領域で考えれば、まだ市場開拓の余地がたくさんある。自販機やカーナビ、ココセコムのようなセキュリティ分野……。さらに法林氏は、介護分野やペットなどでもケータイモジュールは重宝がられるだろうと話す。

「ケータイの市場は、決して飽和状態ではありません。要は、ケータイを非音声領域で多角的に捉えることが重要なのです。キャリアも端末メーカーも柔軟な発想と、知恵を複合的に結集することが、今後の拡大につながるでしょう。そして業界を挙げて、ユーザーに使ってもらえる工夫を凝らしつつ、現在の“ケータイで何かをするのは有料”というイメージの払拭に努力することが大切ですね」

 ケータイ業界には、まだまだ拡大の余地がある。そこに向けた勢力競争を勝ち抜くには、ユーザーの視点で柔軟な発想をすることが不可欠だ。

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