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業界研究レポート 第7回

ファーストフード業界・前編

森永卓郎氏に聞く―メガ食ブームと格差社会の関係

2008年06月25日 04時00分更新

文● 斉藤邦雄(大空出版)

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業界研究レポート

一昨年あたりから、メタボリック症候群の予防を目的とした健康管理やダイエットが加熱している。その反動なのか、2007年1月に登場した「メガマック」を皮切りに、ファストフードやコンビニでボリュームたっぷりで高カロリーな「メガ食品」が続々と登場。ニュースだけでなく、ブログやSNSでも盛んに取り上げられ、20代の男性を中心に一大ブームとなった。あれから1年余、メガ食品に沸いたファストフード業界は、どこへ向かおうとしているのか。

メガ食品ブームの背景は「社会階層の二極化」

 昨年に一大ブームとなった「メガ食品」に火を付けたのは、1月に日本マクドナルドが発売した「メガマック」だ。ビーフパティを4枚も使用した高カロリー(754kcal)なハンバーガーは大歓迎され、販売開始4日間で当初の見込みの約2倍となる332万食を売り上げた。

 各店舗でメガマックの製造が追いつかず、数量限定販売に切り替えられたことでも話題になった。また、販売単価が高いメガマックのヒットは、売上増に大きく寄与(2007年2月の売上が前年比12.4%増)する結果となった。

 このヒットを、90年代半ばからの価格破壊競争やBSE騒動で少なからず疲弊していたファストフード各社が見逃すはずはない。2007年6月にファーストキッチンが「オムスパ ダブルバーガー」(540Kcal)、10月にファミリーマートが「メガハンバーグ弁当」(1184kcal)などメガ弁当シリーズを出し、ゼンショー(すき家)が「メガ牛丼」(1286kcal)を売り出すなど、メガ食品が続々と登場した。

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