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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第20回

「アホなだけでは誰も見てくれない」──ココロ社の中の感性と理性

2008年03月17日 12時52分更新

文● 古田雄介

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アホなだけでは誰も見てくれない


── アクセスアップについて合理的に考えているだけでなく、真面目なメッセージも盛り込んでいますよね。面白おかしいネタの中に、深い考えを散りばめたりして。

ココロ社 ありがとうございます(笑)。「ココロ社.com」時代はアホなことしか言っていなかったんですけど、アホなだけだと誰も見てくれないので、2006年からは色々と工夫しています。読者が気になるようなタイトルにして、時事問題やお役立ち情報を装うことが多くなりました。

 また、おっしゃるとおり、単に面白いだけでなく、裏に真意が隠れていることもあります。すごく微妙なところですけど、エンタテインメントされつつ、啓蒙されてほしいという感じです。


── 裏の真意はどんなものでしょうか?

ココロ社 別の価値観を見てもらいたいというところでしょうか。今のネットの言論を大きく分けると、マスコミ的言論とアンチマスコミ的言論になると思うんです。でも、どちらの立場でもなく、別の視点があるんじゃないかと。そういうのを提示したいというのがありますね。

 例えば「亀田大毅が反則していないという証拠音声ファイル」というネタを作ったんですけど、これは亀田擁護派に見せかけて、反対派でもなく関係ないネタに持っていっているんですけど、そういうような別の価値観で遊べたらと思っています。

亀田大毅が反則していないという証拠音声ファイル

亀田大毅が反則していないという証拠音声ファイル。ココロ社氏が亀田兄弟を気に入っているため、このほかにも亀田兄弟関連のネタがイラストが多数見られる


── 右向け右と、右向け左だけじゃなく、他の方向を見ようよって考え方ですね。

ココロ社 そうですね。もうひとつこだわっているのは、情報の出所です。マスコミを批判しているサイトも、一次情報はマスコミだったりするじゃないですか。ココロ社は小さいながらも一次情報から自分なんです。お出かけ情報とかも自分で現地に行って写真や動画を撮って、コメントも自分で作ったりと。

 ココロ社のコンセプトはインターネット初期の考えに近いんですよ。昔はドシロウトでも情報を発信できるというような個性を主張する場だったと思うんです。だから、情報の集合知とかそういうのではなくて、強烈な個人が強烈なコンテンツを発信するというのが僕の理想です。今も、1日5アクセスの時代を忘れず、インターネット初期の気持ちで運営しています。

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