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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第18回

「悪徳商法? マニアックス」管理人に学ぶ、「折れない」クレーム対処法

2008年02月18日 12時30分更新

文● 古田雄介

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 自分のブログや「mixi」で、何か記事を公開しているなら、一般人の立場にあっても誰かのクレームを受ける可能性はゼロではない。しかし、いざ批判の矢面に立たされると、自分の正当性を理路整然と相手にぶつけて真っ向から戦える人は、そう多くないと思える。ましてや、相手が法をちらつかせてきたら、尻込みしてしまうのは当然だ。

 今回話を伺った「悪徳商法?マニアックス」(以下、悪マニ)の管理人・Beyond氏は、そういった意味で貴重な存在といえる。

 裁判で訴えられたり違法な嫌がらせを受けながらも、自分の考えを曲げず、10年以上サイトを運営し続けている。内容については賛否両論あるが、どんな状況になっても不当と感じた要求に対しては一切屈しない姿勢は、多くの弁護士からも支持されている。「顔の見えるインターネット」第18回は、Beyond氏に批判と対峙するコツを教えてもらった。

悪徳商法?マニアックス


 1997年にスタートした古株のアングラサイトで、アクセスカウンターは2000万以上の数値に達している。悪徳商法を具体名で取り上げており、他では見られない貴重な情報が得られる。2006年12月には、自身の実体験と調査を基にした「グーグル八分とは何か」(九天社)を著した。



大赤字のサイト運営、その理由は?


── 悪マニを始めたいきさつを教えてください。

Beyond 当時はWindows 95が出たばかりで、世間はインターネットブームに沸いていました。その頃からハッキング系サイトはありましたが、社会的なネタを扱うアングラサイトがなかったので、いっちょ僕がやってやろうと思い立ちまして。

 もともと大学の頃に、新興宗教や悪徳商法の勧誘を面白がって見に行っていたんです。今までは数人の友人に話すだけでしたが、ネットなら膨大な数の人と楽しめる。そういう期待がありましたね。

Beyond

バレンタインデーフェアのチョコを物欲しそうに見つめるBeyondさん(取材日は2月13日)。普段はプログラマーとして活動している


── サイトでは、さまざまな企業に対してガンガン訴状を送っていますが、最初からそうだったんですか?

Beyond いえ。最初は法律の知識が一切なかったんですよ。訴えるようになったのは、しばらく経って、弁護士さんと交流するようになってからです。僕が悪徳だと思える団体や行動を紹介するという、基本的なコンセプトは同じでしたけどね。


── なるほど。ちなみに、サイトでカンパを募っていますが、その費用は裁判に充てているんですか?

Beyond 訴訟とサーバー代で半々くらいです。費用は年間100万円を越えていますね。カンパしていただくだけではどうしても足りないから、ずっともの凄い赤字が続いています。


── サーバー代もそんなにかかるんですか!?

Beyond 国内や海外のレンタルサーバーを複数使っていて、丸ごと1台借りているものもあるから、かなり高くなるんです。以前は、1社で借りていましたが、ある会社から訴えられた時に、一時的にサイトにアクセスできなくなってしまったんです。そういう事態を避けるために、海外も含めて分散が必要なんですよ。まあ、その裁判自体には勝ちましたが。

メインコンテンツは「悪徳商法の情報」

メインコンテンツは「悪徳商法の情報」。実体験や調査に基づいて、Beyond氏が問題アリと感じた業者を具体名でリストアップし、その詳細を記載している

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