BGMの配置もクリップ単位で調整可能
iMovieは従来バージョンからiLifeとの連携性が高いのが特徴で、iMovieからiTunesの曲を参照して、BGMとして配置できるのはプロ用ソフトにはない便利な機能だった。とはいえiMovie '08ではタイムライン表示がなくなったことから、一見ひとつのプロジェクト(編集タイプ)でBGMは1曲といったアバウトな配置しかできないように思える。しかし、iMovie '08のオーディオ機能はシンプルに見えて実用的な機能が満載なのだ。
ひとつは、オーディオトラックをいくつでも重ねて置けること。つまり、前バージョンのiMovie HDと同様に、BGMだけでなくiMovie '08に付属するさまざまなサウンドエフェクト(効果音)、Macの内蔵マイクなどで録音したアフレコナレーションなどを、重ねて付けられるマルチトラック仕様になっているのだ。その際、特定のオーディオトラックだけを強調するためにほかのオーディオトラックの音量を自動調整する「ダッキング」や、各クリップ間で音量を同じレベルに調整する「ノーマライズ」などの本格的な機能も充実している。
もうひとつは、BGMの開始/終了位置や、(時間軸に対する)前後の位置などを、プロジェクトに追加したあとで自由に動かせること。
シーンの変わり目にシンクロさせて音楽を盛り上げる「フェードイン/アウト」のように、ひとつひとつ作業していくのは面倒なエフェクトも自動で適用できるなど、さまざまな小技が光る。
これらを組み合わせることで、シーンごとに異なるBGMを流し、さらにシーンの変わり目に合わせてBGMをクロスフェードさせたり、「ジャン!」といった効果音や拍手なども加えることができる。
もちろん、プロ用のサウンド編集ソフト「Soundtrack」のように高機能ではないものの、ほかのソフトを同時に起動することなく、iMovieの中だけでこれだけのオーディオハンドリングが可能な点は素晴らしい進化と言える。
(MacPeople 2008年2月号より転載)

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