練習にも録音にも使えるマルチテイク機能
GarageBand '08には、ボーカルやギターなどを実際に録音するときに非常に便利な「マルチテイクレコーディング」機能が用意されている。これは、録音したい部分を繰り返し演奏し、複数回にわたって録音した素材(テイク)の中から、自分で気に入った部分だけを利用できる高度な録音機能のこと。これまでプロ用の音楽制作ソフトでしか不可能だった録音方法を、手軽に実現できる。
例えば、3回ぶんの録音を繰り返し行い、フレーズの前半部分にテイク1を、後半部分にはテイク2を採用するといった具合だ。もちろん楽器の演奏だけでなく、歌やナレーション、効果音などの録音にも利用できる。演奏に自信がない人のための機能と思われがちだが、最高の曲を作るためにプロミュージシャンも活用しているテクニックだ。
使い方も簡単。まず録音するためのトラックを作成後、サイクルモードをオンにしてから、繰り返しレコーディングしたい部分を画面上部の「サイクルリージョン」をドラッグして指定する。
あとは、通常の録音作業と同じように録音ボタンをクリックし、気に入った演奏ができるまで録音を繰り返せばいい。録音が終了するとリージョンの左上にテイク数が表示されるので、その数字をクリックして任意のテイクを指定しよう。
また、録音したリージョンの一部分のみを別のテイクと差し替えたい場合には、マルチテイクレコーディングされたリージョンを分割すればいい。分割はいくつでもどこでも自由に行え、分割された部分ごとにテイクの選択が可能なので、ブレス(息づかい)や歌の音程が不安定な瞬間だけを入れ替えてしまうなどの、プロ顔負けの音声編集テクニックも使える。リージョンを分割するときは、トラックウィンドウの下にあるスライダーでタイムラインの横幅が長くなるように変更しておくと、さらに快適に作業を行えるはずだ。
なお、いったん分割したリージョンを結合すると選択中のテイク以外はすべて削除される。ほかのテイクも残しておきたいなら元のリージョンを複製しておくこと。
(MacPeople 2008年5月号より転載)

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