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林信行のマイクロトレンド 第15回

ウェブブラウザー戦線異状あり──2008年、「Safari/WebKit」が大ブレイク!?

2007年12月14日 19時34分更新

文● 林信行(ITジャーナリスト)

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 今年は1年を通して最大の話題は、アップルが発表した携帯電話機「iPhone」だろう。iPhoneは、キャリアーとメーカーの立場を逆転させるなど、それまでのケータイ業界の常識をことごとく打ち破った。米国に続いて欧州主要国での発売も始まり、あいかわらず話題を提供し続けている。



iPhoneがもたらした、もう1つの変化


iPhone

「iPhone」とアップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏

iPod touchのSafari

iPod touchのSafariでウェブページを閲覧しているところ

 ところで、このiPhoneは、ケータイ業界以外の世界にもいろいろな影響をおよぼし始めている。例えばウェブ業界だ。

 iPhoneが、ウェブブラウザーとして「Safari」を採用したことで、今やSafariはウェブクリエイターの中で無視できない存在となった(その後、iPod touchもiPhoneに続いたためなおさらだ)。

 Safariが重要なのは、採用機器の数や人気だけの問題ではない。

 実際にこれらの機器のユーザーが、どれだけブラウザーを活用しているかも重要だが、最近、米ネット・アプリケーションズ社が発表した統計関連サイト)によれば、iPhone/iPod touchユーザーのウェブブラウザー利用率は極めて高いようだ。

 同社では月間1億6000万PVのページを使い、ウェブアクセスに使われたOSのシェアを割り出している。11月時点でのiPhoneの出荷台数は140万台(iPod touchは未公表)だが、両製品のブラウザーのシェアは0.09%となった。

 非常に小さい数字のように見えるが、実は出荷台数が2000万台以上のWindows Mobileのブラウザーシェアは0.06%で、iPhoneはこれを上回っている。

 ちなみに世界で何億台と売れている、ノキアのSymbian(S60)ブラウザーのシェアは0.01%だ。

 日本でも多くの携帯電話がパソコン用のウェブページを閲覧できるフルブラウザーを搭載しているが、それにも関わらず、ほとんど活用している人がいない。これはフルブラウザーの使いにくさにも一因があると思う。だが、iPhone/iPod touchのウェブブラウザーは、人気のタッチ操作で、この使いやすさの問題を解決してしまった。

民主党人気はMac人気と連動する!?

 蛇足ながらネット・アプリケーションズの別の統計によれば、全米でMacが人気の州は、大統領選で民主党優位の州とほぼ重なっているそうだ。


(次ページに続く)

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