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林信行のマイクロトレンド 第7回

地図の次は“人”──進化する検索

2007年05月11日 00時00分更新

文● 林信行(ITジャーナリスト)

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Spock

“Spock”

 2005〜2006年、検索業界の話題と言えば“Google Maps”や『Google Earth』を使ったGeo Search(地図検索、地理検索)だったが、これに続くトレンドは何だろう?

 米国ではGeo Searchの次に来るビッグ・トレンドは“People Search”、つまり人(ひと)検索ではないかと言われている。

 米国では昨年末以来、次々と人検索サービスが登場している。4月にサンフランシスコで開催された“Web 2.0 Expo”でも、最も注目を集めたのは“Spock”(スポック)と呼ばれる人検索サービスだった。



個人のプロフィールを提供する人検索


 Googleなどの通常の検索サービスでは、人名で検索すると、その名前で最も有名な人の情報ばかりがでてきてしまう。

 例えば“マイケル・ジャクソン”と検索すれば、誰もが思い浮かべるあの歌手のマイケル・ジャクソンの情報ばかりが表示される。だが、実はそれほど有名ではないが、アメフト選手にもマイケル・ジャクソンがいる。“Michael Jackson football”などと検索条件を増やせば確かに見つけるられるが、何の選手だったか思い出せない場合は、見つけるのがかなり大変だ。

 一方、人検索サービスでは、名前を入れて検索を実行すると、同姓同名の人物が、簡単な解説やその人を表すタグ情報と一緒に現れる。さらに人物の名前をクリックすると、その人のプロフィールが読める。

 つまり、人検索サービスとは、裏を返せばプロフィール提供サービスなのである。

 Googleなどの一般検索では、その人の公式ホームページやブログがあればプロフィールを表示できる可能性がある。しかし、そういったものを持っていない人については何も表示できる情報がない。Wikipediaには、有名人を詳細に紹介するページがいくつもあるが、ちゃんと同姓同名者まで紹介されていることは少ない。

 これに対してSpockなどの人検索では、超有名人はもちろん、同姓同名のまったくの無名人についても、平等にプロフィールページを用意し、検索結果の画面で表示してくれる。

 現在、Spockはビジネスネットワークを広げるためのソーシャルネットワークサービス(SNS)を用意したり、“LinkedIn”(ビジネスに特化したSNS)やWikipediaなどからプロフィール情報を集めたりしながら、本サービス開始に向けて準備中だ。スタート時点までに1億件の情報を用意し、それ以後も1日数百万件のペースで項目を追加していくことを目論んでいるという。

“George Bush”で検索

“George Bush”で検索してみると、父ブッシュを含めその他の同姓同名人物も表示される

George W. Bushのプロフィールページ

George W. Bushのプロフィールページ

タグ検索

“President of the United States” (合衆国大統領)というタグで検索すると、歴代の大統領が表示される

関連人物

“Related”をクリックすると親類や友人関係、ライバルなどの関係人物が表示される


(次ページに続く)

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