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盛田 諒の「アスキー家電部」 第32回

【完全版】ぷるぷる角煮に笑いが止まらない ヘルシオ ホットクック

2016年09月01日 15時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 オードブル肉料理、サイドディッシュ肉料理、メインディッシュ肉料理。すべての肉に感謝を捧げて肉をいただく肉祭りを開催している。1品目は唐揚げ、2品目はハンバーグ、3品目はとんかつ、4品目は「豚の角煮」。神器は「シャープ ヘルシオ ホットクック」。とろとろの角煮が手間なしで出来上がる。ここはどこの天国か。

肉祭りwith三種の神器 メニュー

・オードブル「唐揚げ」シャープ ヘルシオ ウォーターオーブン
・副菜「ハンバーグ」フィリップス ノンフライヤー
・副菜「とんかつ」ノンフライヤー&ヘルシオ
・主菜「豚の角煮」シャープ ヘルシオ ホットクック
・デザート「モヒート風かき氷」ドウシシャ ふわふわとろ雪かき氷機
・巻末座談会「いま本当にキッチンに欲しいもの」


主菜「豚の角煮」シャープ ヘルシオ ホットクック

 さあ角煮だ。なぜメインが角煮かというと個人的に好きだから。至高のとろとろ肉、庶民のご馳走。最後の晩餐が角煮と紹興酒なら、きっと笑顔で昇天できる。神器は電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック KN-HT99A」。実売価格6万4800円前後で発売中。

 ホットクックは無水調理ができる電気鍋。食材から発生した水蒸気が内ぶたにある円錐状の突起「旨みドリップ加工」を伝い落ちて調理する。わが家で使っている無水調理鍋「ストウブ」を電気釜にしたような構造だ。ストウブはサイズによって2〜3万円する高級鍋で、店頭価格はホットクックと似たようなもの。ネーミングは、材料を入れてボタンを押し、放っておくだけで料理ができることから「ホットクック(放っとくっく)」。そういえばシャープは関西企業だった。

ヘルシオ ホットクック。赤いボディがころんとしてかわいらしい

サイズは炊飯器ほどで大きすぎはしない

ホットクックは本体と内鍋の組み合わせ

内鍋に蒸し皿を敷いて蒸し料理ができる

内ぶたのディンプル(突起)に水蒸気がたまって落ちる仕組み

 豚の角煮は、豚ばら肉をゆでて油を落とし、酒・砂糖・しょうゆで煮つめる料理。中華料理の東坡肉(トンポーロウ)が日本に伝わり、家庭料理としてアレンジされたもの。豚肉の旨みを引きだしてくれるシンプルでうまい料理だが、基本の流れとして「肉の焼きつけ」「油抜き」「煮込み」の3工程があり、わりと手間で時間がかかる。レシピによっては「冷蔵庫で一晩放置」だ。焼きつけを省略すると煮崩れしやすく、火加減によっては赤身部分がパサパサになってしまい、意外と難しい。

 しかしホットクックは合計95分、焼きつけなしの2工程で終わる。

材料
豚バラ肉(かたまり) 800g
しょうが(薄切り) ひとかけ
白ねぎの青い部分 5cm
水 800mL
酒 100mL
砂糖 大さじ4
しょうゆ 大さじ4
にんにく(薄切り) ひとかけ
しょうが(薄切り) ひとかけ
水 200mL

 まずは5cm角に切った豚ばら肉を蒸し皿に並べ、ねぎの青い部分としょうがを乗せ「蒸し」モードでスイッチオン。小窓を覗くと水蒸気の水玉ができていた。15分後にブザーが鳴り、油抜きがあっさり終わった。早い。肉を出し、水分と油分が落ちた内鍋を洗う。合わせ調味料を入れて肉を戻し入れて、「煮物」モードで時間を「80分」に設定してスイッチオン。あとは待つだけ。

 動作音がとても静かなので、煮えるまで録画しておいたアニメでも見ようと思ったが、加熱を始めてすぐに穏やかな蒸気が噴出。酒・醤油・にんにく・しょうがの煮える匂いがしてきてアニメどころではなくなった。代わりに掃除や洗濯など家事を済ませ、まだ時間があったので近所で買い物をした。鍋で肉を煮ているときはとても考えられない行動だ。

 しばらく経つと「ピーピーピーピー」とブザーが。肉のかたまりが850gと50gほど多かったためか5〜10分ほど延びていた。炊飯器の要領でボタンを押してパカッとふたを開けると、ぐつぐつ煮える角煮があらわれた。角煮の表面はうっすら茶色く染まり、肉汁とおつゆで輝いている。内鍋を持ちあげただけでぷるぷるする角煮。煮崩れもなくきれいだ。

 深鉢によそい、一切れを皿に移して箸をつける。ほろりとくずれた。赤身の部分もしっとりしていてやわらかい。脂身はとろとろだがわずかな歯ごたえが残っている。味がしっかりしみていて、一言でまとめると超うまい。これが合計95分放置で作れるというのは奇跡的だ。大好きな料理だからということもあるが、今回の肉祭りの中でもっとも感動した。指定時間にできあがる「予約調理」機能を使って、会社から帰る時間にセットしておけば、角煮が「おかえり」と出迎えてくれる。天国か。

スーパーで豚ばらブロックを買ってきた

しょうが、ねぎの青い部分を入れて油抜き

蒸し物モードに設定してスタート

中からぐつぐつ音がする。小窓には水蒸気が

15分で油抜きできた。早い

酒・砂糖・しょうゆなどを入れてスイッチオン

蒸気口からおいしそうな湯気が出てきた……

80分後。角煮先生があらわれた

振るとぷるぷるする角煮先生

角煮先生のコラーゲン(近影)

小皿で休まれる角煮先生

おはしですぐに切れる角煮先生

 ホットクックにできるのは「煮る・蒸す・ゆでる・発酵させる」。つまりは炊飯器料理と同じだが、自動85種、手動15種、合計100種の料理が失敗なしでおいしくできるのがいいところ。試しにホットケーキミックスだけでケーキをつくってみたところ『ぐりとぐら』のカステラをほうふつとさせる丸いケーキが焼きあがった。外側がカリッと仕上がり、蒸しパンのように素朴な風味。黒みつをかけると美味しかった。

 面白いのは2枚の羽で食材をかきまぜる「まぜ技ユニット」。カレー、ラタトゥイユなど煮込み料理をつくるときの加熱むら、焦げを防げる。ふたの蒸気センサー、本体底部の温度センサーが加熱状態を把握して、加熱・混ぜ合わせ・保温まで管理してくれるので、焦げつきとも無縁。手間なしで完璧な料理ができあがるのはすばらしい。煮込み専門のシェフを雇ったような感動がある。

 サイズは幅367×奥行き280×高さ224mm、重さ約5.2kg。5.5合炊きの炊飯器がはいる場所なら置ける。内鍋は内径190mm×深さ130mm、重さ約716g。小さめの両手鍋ほどで軽い。料理ができたら粗熱をとって、専用のフタをして冷蔵庫に入れられる。小さく見えても容量1.6リットルでわりとたっぷり料理ができる。

煮物などを自動的にかき混ぜてくれる「まぜ技ユニット」付き

内鍋は大きめの片手鍋くらいのサイズだ

料理ができたらそのまま冷蔵庫に入れられる

ホットケーキも焼いてみた。丸い

「ぐりとぐら」のカステラを思い出す

外はカリカリ、中はむっちり

蒸しパンのような味。黒糖をかけて食べた

 お手入れは普通の炊飯器と同じだ。内鍋、内ぶた、つゆ受け、蒸気口を水洗いするだけで、そんなに面倒はない。完璧に見えるホットクックの難点はどこにあるのか。

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