私→WRC第76回

女性レーサーたちが自ら企画! モータースポーツの楽しさで伝える「ピンクリボン」の大切さ

文●及川紗利亜 編集●ASCII

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 こんにちは! 歯科医師として働きながら、全日本ラリー選手権などに参戦しているラリードライバーの及川紗利亜です。

 今回は、東京・お台場にある「CITY CIRCUIT TOKYO BAY(シティサーキット東京ベイ)」で開催された、DUNLOPの「ピンクリボン運動」キックオフイベントに参加してきたのでレポートします。

 当日は「2026 AUTOBACS 全日本カート選手権 EV部門 第5戦・第6戦」も開催され、EVカートのレースはもちろん、さまざまな体験型コンテンツもあり、モータースポーツをいろいろな角度から楽しめる1日になっていました。

 今回のイベントに参加した女性ドライバーは、永井歩夢選手、富下李央菜選手、白石いつも選手、そして私の4名です。

 私たちがこのイベントで挑戦したのは、「シミュレーターで走ったタイムを、本物のカートでどこまで再現できるのか?」という企画です。

左から富下李央菜選手、白石いつも選手、永井歩夢選手、私です

シミュレーターで感じた速さを、実車でも再現できる?

 今ではモータースポーツの世界でも、シミュレーターをトレーニングに取り入れることは珍しくありません。コースレイアウトを覚えたり、ラインを考えたり、ブレーキングポイントを確認したり。

 実際にコースを走る前にバーチャルの世界で走ることで、ある程度のイメージを作ることができます。でも今回の企画は、単純にシミュレーターで「一番速いタイムを出す」ことが目的ではありません。まずシミュレーターでタイムを計測し、そのあと実際のカートに乗って、シミュレーターで出したタイムにどれだけ近づけられるかを競うものです。

 つまり、「バーチャルで作ったスピード感覚を、リアルの世界にどれだけ持っていけるのか?」というチャレンジなのです。普段はコンマ1秒でも速く走ることを考えている私にとって、これはかなり新鮮なルールでした。

当日は雨! バーチャルとリアルが全然違う!

 しかし、この日はあいにくの雨! シミュレーターはドライコンディションなのに、実車はウェットコンディションという、なかなか難しい状況になりました。

 実際のカートに乗ると、アクセルを踏んだときのタイヤの滑り方や、ブレーキを踏んだときの荷重移動、ステアリングから伝わってくる感触など、身体に入ってくる情報が一気に増えます。

 画面の中では「このくらいのスピードならいけそう」と思っていても、実車では路面から直接伝わってくる感覚がまったく違います。

 一方で、シミュレーターで先に走っていたおかげで、コースレイアウトは頭に入っていました。

ラリードライバーには「タイムを合わせる」のが難しい

 実車で走り始めると、ついつい普段のクセが出てしまいます。「もう少しいける!」「ここ、もっとアクセル踏めそう!」……でも今回の目的は、速く走ることじゃありません(笑)。

 必要なのは、狙ったタイムで走ること。私の体内時計がいかに優れているかを証明しなければなりません!

 自分がどれくらいのペースで走っているのかを感じながら、タイムをコントロールしなければいけません。速く走る能力と、正確にタイムを合わせる能力。似ているようで、全然違いましたね(汗)。

 結果は、シミュレーターとの差が4.381秒! 4人の中で一番差が大きかったです(笑)。

 一方で、富下李央菜選手はわずか0.112秒差、白石いつも選手も0.145秒差。0.1秒台の差って、すごすぎませんか!?

 自分では「このくらいかな?」と思っていても、実際のタイムを見ると全然違う。ドライバーの体感時間って面白いなと、改めて感じました。

この企画、4人のドライバーも一緒に考えました

 今回の企画については、私たち4人の女性ドライバーで事前にいろいろとアイデアを出しながら考えました。どうしたらモータースポーツを楽しんでもらいながら、ピンクリボンについても知ってもらえるのか。ただ「検診に行きましょう」と伝えるだけではなく、レースやカート、シミュレーターといったモータースポーツをきっかけにすれば、普段こうした情報に触れる機会が少ない方にも届けることができるのではないか。

 楽しい体験を通して、大切なことを伝えられるのってすごくいいなと、今回改めて感じました。

 私たちドライバー自身も、「どういう企画だったら皆さんに楽しんでもらえるかな?」「どうしたら自然に興味を持ってもらえるかな?」と考える時間がありました。

 ドライバーとして走るだけではなく、発信する側としてイベントを一緒に作っていくことができたのも、とても印象に残っています。

モータースポーツから伝える「ピンクリボン」

 そして今回のイベントには、もうひとつ大切なテーマがありました。

 それが、ピンクリボン運動です。DUNLOPでは、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝える活動として、この運動を継続して取り組んでいます。

 モータースポーツというと、どうしても「速さ」や「勝負」に注目が集まりがちです。でもDUNLOPは、モータースポーツを社会に大切なメッセージを届ける場としても活用しています。

 さらに、ただ情報を発信するだけではなく、来場された皆さんが楽しみながら自然と活動を知ることができる形にしているところも、とても素敵だなと思いました。

 私自身、普段は歯科医師として医療にも関わっています。モータースポーツは、まだまだ男性の割合が多い世界。だからこそ、そこでピンクリボンについて発信することには意味があると思っています。

 女性自身に知ってもらうことはもちろんですが、男性にも知ってもらうことで、「家族に検診を勧めてみよう」「パートナーに声をかけてみよう」といったきっかけにつながるかもしれません。

 普段なら医療や検診について考える機会がない方にも、クルマやモータースポーツを入口に届けることができる。モータースポーツを通して、こうして皆さんに大切なことを発信できるのって、とてもいいですよね。

DUNLOPブースでは皆さんと1日楽しみました!

 そしてこの日は、走るだけではありません! ブースでは、抽選会をはじめとしたゲームや企画も行なわれていて、私たちドライバーも皆さんと一緒に参加しました。

 レースを見たり、シミュレーターを体験したり、カートに乗ったり、ゲームをしたり。そして、声をかけてくださった皆さんとお話ししたり、一緒に写真を撮ったり。

 普段のレース会場では競技に集中していて、なかなかゆっくりお話しする時間を取れないことも多いので、こうして1日を通して皆さんと交流できたのがとてもうれしかったです。

 モータースポーツを「見る」だけではなく、体験する、参加する。そして、みんなで一緒に楽しむ。そんなモータースポーツの楽しみ方が詰まった1日でした!

モータースポーツから日常へ

 モータースポーツをきっかけに、ピンクリボンについて知ってみる。そして、その日知ったことを家族や大切な人に話し、検診について考えてみる。今回のイベントには、そんな「次の一歩につながるきっかけ」がたくさんあったように思います。

 モータースポーツには、人をワクワクさせる力があります。その力を使って、レースの楽しさだけではなく、大切なメッセージも一緒に届けていける。今回、4人のドライバーで企画を考え、DUNLOPの皆さんと一緒にイベントを作る中で、改めてそんなモータースポーツの可能性を感じました。

 これからもドライバーとして、モータースポーツを通していろいろな「きっかけ」を届けていけたらと思います。

 そして皆さんもぜひ、まずはシミュレーターからでも、カートからでも。バーチャルからリアルへ! モータースポーツの世界を体験してみてください!

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