最新パーツ性能チェック 第482回
MSI「Claw 8 EX AI+ CG3EM」をレビュー
CPU性能はRyzen 7 5700Xに比肩!Arc G3 Extreme搭載ポータブルゲーミングPCの性能は驚異的だった
2026年09月01日 10時00分更新
ゲームを2~3時間遊べるバッテリー性能
最後に、簡単ではあるがバッテリー駆動時間もチェックしておこう。3DMarkのSteel Nomad Lightのストレステストをエンドレスで回し続け、バッテリー残量98%からバッテリー警告が出る5%になるまでのバッテリーの状態をHWiNFO Proで追跡した。なお、ディスプレーの輝度はデフォルト(75%、低電力時50%)にしている。
グラフ中の「エンデュランス」とは、Core Ultraシリーズ1(開発コードネーム:Meteor Lake)より実装されているCPU内蔵GPU用の電力制限モードを使用した際のデータである。エンデュランスモードには60fps制限になる「パフォーマンス」、45fps制限になる「バランス」、30fps制限になる「バッテリー」の3モードがあるが、ここではバッテリーモードを使用している。
実際のゲームだとCPUやGPU負荷が変動するし、場合によってはWi-Fi通信の電力も影響する可能性があるが、ゲームグラフィック描画中心の負荷であれば、デフォルトでも2時間20分、エンデュランスモードであれば3時間弱の動作が期待できる。
上のフレームレートはHWiNFO Proが読み取ったフレームレートである。そのため、これまでCapFrameXで取得してきたフレームレートよりも厳密性に欠ける。とくに、最低フレームレートはHWiNFOのポーリング間隔(2秒ごと)に丸められてしまうため、粒度の粗い情報であることをご留意いただきたい。
とはいえ、平均フレームレートに注目すると、しっかりエンデュランスモードが効いてフレームレートが下がっており、バッテリー駆動時間が伸びていることにうなづける。30fpsでゲームができるのか、という議論はさておき、電力制限は正しく機能しているようだ。
ちなみに、Claw 8 EX AI+でローカルに保存した動画だけを延々と再生させた場合のバッテリー駆動時間は11時間52分。JEITA基準による動画再生時間(20時間)よりはだいぶ短くなるが、それでもほぼ半日ずっと再生し続けられるというわけだ。
まとめ:カジュアルゲーマーなら満足のいくポータブルPC
場所を選ばず遊べる「自由」にいくら出せるか次第
以上でClaw 8 EX AI+の検証は終了となる。重量約785gのボディーにRyzen 7 5700X相当のCPUパワーを秘めたArc G3 Extremeの性能にはかなり惹かれるものがあった。ゲームのパフォーマンスは残念ながらGeForce RTX 3050搭載PCの半分程度にとどまったが、それでも画質を絞ればフルHDでも平均60fps以上で遊べる。カジュアルにゲームを楽しみたい人にはとても良い塩梅だろう。
だが欠点もないわけではない。最大の問題は価格だ。Claw 8 EX AI+の実売価格は30万円近く、カジュアル(気楽)に買えるものではない。MSIとインテルの最新技術の粋を結集して設計されたデバイス、かつメモリーはLPDDR5X-8533で32GBというスペックを考えれば、高くなるのも当然だ。
また、CPU内蔵GPUのVRAMはメインメモリーと共有しているため、ゲームの起動時間や重い読み込み処理が発生した時の待ち時間が長いという点も気になった。LPDDR5X-8533といっても、GPU用のGDDR6メモリーには帯域で負けてしまうので、これは仕方のないことだ。
さらにいえば、Claw 8 EX AI+はXBOXモードの利用を前提にしており、MSI独自のUIを備えたランチャー(MSI Center)も常時起動しているため、このUIに慣れないと使いづらい。一度ゲームをインストールしてしまえばMSI Centerから一発起動できるが、そこに至るまでのセットアップ手順がめんどうではある。
ゲーム以外でもPCとして使いたい場合も、XBOXモードを終了させるというワンクッションが必要になり、やはりこれもめんどうではある。ただ、これはゲームを目的に設計されたデバイスに対しての「無粋な物言い」かもしれない。一般的なPCとは役割が異なるポータブルゲーミングPCだけに、一般的なPC用途はメインではないのだから。
Claw 8 EX AI+は、ベッドの上だろうと移動中だろうとPCゲームに触れられるというメリットは大きく、さらにファンノイズもノートPCに比べるとかなり静かだ。この付加価値にお金を出せる人ならば、十分検討に値するデバイスといえるだろう。
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