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最新パーツ性能チェック 第482回

MSI「Claw 8 EX AI+ CG3EM」をレビュー

CPU性能はRyzen 7 5700Xに比肩!Arc G3 Extreme搭載ポータブルゲーミングPCの性能は驚異的だった

2026年09月01日 10時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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どの程度のデスクトップPCと性能で張り合えるのか?

 Arc G3 Extremeを搭載したClaw 8 EX AI+は、従来のポータブルゲーミングPCとは一線を画す性能が期待できる。そこで、今回は異種格闘技めいた視点にはなるが、デスクトップPCだとどの程度のスペックに相当するのか? を考察することにした。

 比較対象は色々と試したが、CPUは「Ryzen 7 5700X」、GPUは「GeForce RTX 3050(VRAM 8GB版)」をチョイスした。ドライバーはGameReady 610.88を使用。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護は有効化している。また、Claw 8 EX AI+は常時給電しながらテストを実施している。

Claw 8 EX AI+の主なスペック
CPU インテル「Arc G3 Extreme」
(14コア/14スレッド、最大4.7GHz)
グラフィックス Intel Arc B390 GPU(CPU内蔵)
メモリー 32GB、LPDDR5X-8533
ストレージ 1TB M.2 SSD
ディスプレー 8型OLED(1920×1200ドット、リフレッシュレート120Hz、タッチ対応)
バッテリー 80Wh
OS Windows 11 Home(25H2)
比較デスクトップPCの主なスペック
CPU AMD「Ryzen 7 5700X」(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)
CPUクーラー AMD「Wraith Prism」(空冷、トップフロー)
マザーボード ASRock「X570 Taichi Razer Edition」
(AMD X570、BIOS 5.80)
ビデオカード GIGABYTE「GeForce RTX 3050 EAGLE 8G」
(8GB GDDR6)
メモリー G.SKILL「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(16GBx2、DDR4-3200)
ストレージ Crucial「T500 CT1000T500SSD8JP」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源ユニット ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM、Cybenetics TITANIUM、LAMBDA A++)
OS Windows 11 Pro(25H2)

CPUパワーはRyzen 7 5700Xに比肩する

 まずはCPUまわりのテストからはじめよう。最初に試すしベンチマークソフトは「CINEBENCH 2026」だ。

Claw 8 EX AI+ CG3EM

CINEBENCH 2026:スコアー。Arc G3 ExtremeはSMTに非対応であるため、1コア(1c)テストは実施不可

 Arc G3 Extremeのマルチスレッド(nT)スコアーは、Ryzen 7 5700Xに一歩及ばないもののほぼ同程度。2世代落ちだが現役ユーザーもまだ多いであろうTDP 65WのデスクトップPC向けCPUと、TDP 25Wのモバイル向けCPUの演算性能がほぼ同じとは驚きである。

 さらに、シングルスレッド(1T)性能ではArc G3 Extremeが優勢だが、Ryzen 7 5700Xの1コアテストを加味すると両者のシングルスレッド性能はこちらも同程度といえる。

 ただし、近年のインテル製CPUが「CINEBENCH番長」というべき味付けになっている(マルチスレッド処理に有利なEコアを重視)ことはよくわかっている。では動画のエンコード処理はどうだろうかということで、「HandBrake」を利用して検証した。

 検証にあたっては再生時間3分の4K@60fps動画(H.264)を準備し、プリセットの「Super HQ 2160p60 4K AV1 Surround」でAV1コーデックのMP4に変換する作業を実施した。

Claw 8 EX AI+ CG3EM

HandBrake:動画エンコード時間

 こちらもCINEBENCH 2026と同様、Arc G3 ExtremeはRyzen 7 5700Xに迫っている。Claw 8 EX AI+で動画エンコードをする人がいる(しかもCPUエンコード)とは考えにくいが、計算負荷の高い処理において、Arc G3 ExtremeはRyzen 7 5700Xとほぼ同程度の性能(になるケースもある)、ということが判明した。

 では、GPUエンコードを使用した場合はどうだろうか? 「UL Procyon」に収録されている「Video Editing Benchmark」で比較してみよう。これはAdobeの「Premiere」を実際に動かし、4種類の動画をフルHDまたは4Kにエンコードする時間を比較するテストである。

Claw 8 EX AI+ CG3EM

UL Procyon:Video Editing Benchmarkにおけるエンコード時間

 このテストではArc G3 ExtremeはRyzen 7 5700X+GeForce RTX 3050の半分、テストによっては4割程度の性能にとどまる。GPUエンコード時には処理対象の映像データをVRAMと頻繁にやり取りする必要があるが、その際メモリー帯域が重要になる。

 そこで両者のメモリー帯域に注目すると、Arc G3 ExtremeはLPDDR5X-8533を使っているとはいえ、データレートは単純計算で8.53Gbps。一方、GeForce RTX 3050はエントリー機ながら14Gbpsと倍近い。この差がエンコード時間に影響したと考えられる。

 続いては、UL Procyonの「Photo Editing Benchmark」を試してみよう。Adobeの「Photoshop」を使用するImage Retouchingテスト、「Lightroom Classic」を使用するBatch Processingテストを実施。Claw 8 EX AI+のようなPCで動画エンコードは少々非現実的だが、もっと負荷の軽い写真編集程度なら現実的な用途として考えられるだろう。

Claw 8 EX AI+ CG3EM

UL Procyon:Photo Editing Benchmarkのスコアー

 Video Editing Benchmarkと違い、こちらは両者のスコアーがかなり近い。Image RetouchingでRyzen 7 5700XがArc G3 Extremeに差を付けているのはGPU利用がからんでいるためと思われる。その一方で、Batch ProcessingはCPUコア数勝負の側面もあるため、Arc G3 Extremeが優勢になった(とはいえ、ほぼ誤差だが)と考えられる。

 ゲームを使用した検証に入る前に、「3DMark」でパフォーマンスの傾向を把握しておこう。本稿ではラスタライズ系テストでは軽めのFire StrikeとSteel Nomad Light、レイトレーシング系では軽量のSolar Bay Extremeと重いSpeed Wayという4テストをチョイスした。

Claw 8 EX AI+ CG3EM

3DMark:スコアー

 どのテストにおいてもArc G3 Extremeは、Ryzen 7 5700X+GeForce RTX 3050搭載PCよりも低いスコアーを示した。傾向は上2つと下2つで大きく分かれており、上2つのラスタライズ系では比較PCの80%程度まで迫っている。

 一方で、下2つのレイトレーシング系では50~60%程度にまで下がる。これらテストでは、上2つのテストよりもメモリー帯域が要求されるため、メインメモリー共有型のArc G3 Extremeでは性能が出にくいのかもしれない。

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